タイトル | 新潟県の低地水田土壌における土壌炭素含有率の変化と土壌管理による変動 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 1979~2007 |
研究担当者 |
本間利光 門倉綾子 大峽広智 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 過去25年間の土壌調査の結果、低地水田土壌の作土における土壌炭素含有率の増減は認められないが、乾田ほど下層の炭素含有率が低い。作土の土壌炭素率はほ場の畑転換により低下するが、稲わら施用により低下が抑制される。 |
キーワード | 土壌炭素、土壌モニタリング調査、低地水田 |
背景・ねらい | 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次報告書は、農地土壌で炭素の蓄積量を増加させることで温暖化の緩和に貢献することが可能であり、そのための農地の適切な管理が重要であると指摘している。そこで、低地水田土壌における土壌炭素含有率の変化とほ場管理が土壌炭素含有率に及ぼす影響を過去25年間に行われた土壌調査結果から明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 過去25年間の土壌調査の結果、新潟県の低地水田土壌の作土における土壌炭素含有率の変化は認められない(図1)。 2. グライ土と比較し灰色低地土は土壌炭素含有率が低く、下層ほど低い傾向がみられる(図1)。 3. 過去5年間に畑転換をした水田土壌の作土の炭素含有率は連作水田と比較して低下しており、田畑輪換により土壌炭素含有率の低下が懸念される(表1)。 4. 稲わらの施用により作土の土壌炭素含有率の低下が抑制される傾向である(表2)。 5. 土壌炭素含有率、仮比重、土層深から新潟県におけるグライ土水田(深さ30cm)が保持している土壌炭素量はおよそ7.68Mtと試算される(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 冬期間積雪のある北陸東部地域での結果である。 2. 土壌環境基礎調査定点調査(1979~1998)および土壌モニタリング調査(1999~2003)から得られたデータを用いた。 3. 解析に用いた土壌点数は定点調査1巡目から4巡目(1979~1998)までの総計はグライ土で1066点、灰色低地土で249点、褐色低地土で37点、土壌モニタリング調査(1999~2003)は66点(グライ土56点、灰色低地土10点)である。 4. 新潟県のグライ土水田の土壌炭素量の試算に用いた土壌分類は地力保全基本調査総合成績書(1978)から引用した。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 水田 土壌環境 モニタリング |