黒毛和種種雄牛「北国関7」の評価と選抜

タイトル 黒毛和種種雄牛「北国関7」の評価と選抜
担当機関 茨城県畜セ
研究期間 1952~2008
研究担当者 大林康信
藤森祐紀
大川清充
笹沼清孝
発行年度 2008
要約 「平茂勝」息牛である「北国関7」の現場後代検定を実施し、育種価を推定して遺伝的能力を評価した。「北国関7」は重量に富み、肉質にも優れた能力を持つと考えられるため、種雄牛として選抜し広く供用する。
キーワード 黒毛和種、種雄牛、北国関7
背景・ねらい 茨城県を代表する銘柄牛肉である「常陸牛」の生産を推進していく上で、能力の高い種雄牛の果たす役割は大きい。県有種雄牛として、高い肉質を期待できる「安福165の9」の息牛である「千穂」などを供用しているが、より重量の期待できる「平茂勝」息牛へのニーズが高い。そこで、「平茂勝」の息牛である「北国関7」(きたぐにぜき7)の現場後代検定を実施し、育種価による遺伝的な能力の評価を行った。
成果の内容・特徴
  1. 「北国関7」の血統は、父が「平茂勝」、母の父が「北国7の8」、母の母の父が「安美金」であり、質量兼備の種雄牛の組み合わせになっている(図1)。また、「北国関7」はメラニン細胞刺激ホルモン受容体も含めて、6つの遺伝病を保因していない。
  2. 現場後代検定に供試した15頭の枝肉成績の平均は、枝肉重量461.7kg、ロース芯面積58.7平方cm、脂肪交雑がBMSナンバーで7.27であり、平成19年度の全国平均を上回っている(表1)。
  3. 平成20年4月に育種価を推定したところ、「北国関7」は枝肉重量、ロース芯面積、脂肪交雑などで県選抜基準値を大きく上回っている(表2)。
  4. 「北国関7」の枝肉重量や脂肪交雑に関する育種価は、これまでに選抜された県有種雄牛のなかで最も大きい数値を示している。そのため、「北国関7」は質量ともに特に優れた能力を持つ種雄牛と考えられ、茨城県種雄牛として選抜し広く供用する。
成果の活用面・留意点
  1. 肉用牛広域後代検定における、平成20年度共同利用種雄牛に選定された。
  2. 凍結精液の供給は茨城県内を主体に行うが、(社)家畜改良事業団との話し合いにより、全国的に配布できる体制がとられている。
  3. 「北国関7」は高い育種価が推定されたことから、その利用により増体と肉質の良い子牛の生産が期待できるが、血統的に、近親交配を防ぐ配慮が必要とされる。
図表1 218778-1.gif
図表2 218778-2.gif
図表3 218778-3.gif
カテゴリ 育種 肉牛

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