乳牛における分娩前後の体重変動とケトーシスとの関連性

タイトル 乳牛における分娩前後の体重変動とケトーシスとの関連性
担当機関 静岡畜研
研究期間 2007~2009
研究担当者 土屋貴幸
赤松裕久
小林幸恵
佐野文彦
発行年度 2008
要約 乳牛のケトーシスでは分娩前後に体重が大きく減少するが、分娩前に減少する牛と分娩後に減少する牛に大別される。また、これらの体重減少は体脂肪およびタンパク質動員と関連し、初回発情日数の遅延にも影響する。
キーワード 乳用牛、ケトーシス、遊離脂肪酸(NEFA)、3-メチルヒスチジン、体重変動率
背景・ねらい 乳牛のケトーシスでは体脂肪および体タンパク質分解が亢進することから、体重が大きく減少することが推察される。そこで、分娩前後の体重変動と血液成分およびケトーシス発症について調査を行い、関連性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ホルスタイン種経産牛14頭をケトーシス群6頭、健康群8頭に分け、分娩30日前、分娩0,30,60日後に体重を測定し、体重変動率(WCR)を算出する。尚、分娩0日の体重は分娩後12時間以内に測定する。また、血液検査により、遊離脂肪酸(NEFA)および体タンパク質動員の指標である3-メチルヒスチジン(3-MH)等を測定し、あわせて初回発情日数を調査する。
  2. ケトーシス群の分娩30日前~分娩30日後(60日間)のWCRは-17.7±4.3%で、健康群の-9.8±6.1%より低い(P0.05)(表1)。また、ケトーシス群のWCRは分娩30日前~分娩日に低下する牛と、分娩日~分娩30日後に低下する牛に大別される(表2)。
  3. ケトーシス群の分娩日のNEFAは健康群より高く(P 0.05)、分娩0,14,30日後の3-MHは健康群より高い(P 0.05)(図1,2)。分娩30日前~分娩30日後のWCRと分娩14日後および30日後の3-MHには有意な相関が認められる(P 0.05)。
  4. ケトーシス群の初回発情日数は73±16日で、健康群の48±18日より遅延する(P 0.05)(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ケトーシス牛では、分娩前後の体重変動率(WCR)が負に変動し、体脂肪および体タンパク質が過剰に動員される。
  2. 酪農場におけるケトーシス対策および繁殖指導に活用する。
図表1 218784-1.gif
図表2 218784-2.gif
図表3 218784-3.gif
図表4 218784-4.gif
図表5 218784-5.gif
カテゴリ 乳牛 繁殖性改善

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