エキスパンド処理とフィターゼを添加した飼料による豚のふん量とリン排せつ量の低減

タイトル エキスパンド処理とフィターゼを添加した飼料による豚のふん量とリン排せつ量の低減
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 2006~2008
研究担当者 今井泰四郎
小材幸雄
石田豊
湊和之
発行年度 2008
要約 配合飼料をエキスパンド処理して30%混合し、肥育豚に給与すると消化率が向上してふんは約18%低減できる。さらにこの飼料にフィターゼを添加した飼料を肥育豚に給与すると、ふんへのリン排せつ量は25%低減できる。
キーワード 豚飼料、エキスパンド処理、フィターゼ、消化率、リン排せつ
背景・ねらい 養豚経営の中で家畜排せつ物の処理は多大な経費を要し、環境対策の低コスト化を念頭においた飼養管理技術が必要となっている。近年、ふん量やふん中の環境負荷物質低減の研究が進み、飼料に高温・高圧をかけて膨張させるエキスパンド処理や飼料中のリン利用率を向上させる酵素(フィターゼ)の効果が注目されている。
そこで、肉豚肥育用飼料にエキスパンド処理とフィターゼを併用し、豚のふん量と堆肥施用の制限要因となっているふんへのリン排せつ量の同時低減効果を確認する。
成果の内容・特徴
  1. 配合飼料をエキスパンド処理して市販されているものを30%混合すると、乾物および粗蛋白質の消化率は、市販飼料と比較して、それぞれ4.0%、7.3%と有意に向上するが、発育成績に差は認められない(表1)(表2)。
  2. 乾物消化率が4.0%向上するため、飼料摂取量を3.5kg/日とした場合、排せつされるふん量は763g(3,500g×21.8%)から623g(3,500g×17.8%)へと18.3%(140g)低減する。
  3. 上記の試験結果を基にエキスパンド30%飼料に無機リン(リン酸カルシウム)を添加せずに、フィターゼを800単位/kg添加(飼料原物中全リン含量:フィターゼ区0.42%、対照区0.45%)すると、リン消化率は27%向上し、ふん中のリン濃度も25%低減する(表3)。
  4. 発育成績や血清中のリンおよびカルシウム濃度に影響はない(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 当技術を利用することによって、ふん処理の低コスト化が期待できる。
  2. ふんへのリン排せつ量が低減されるため、堆肥の利用拡大が期待できる。
図表1 218800-1.gif
図表2 218800-2.gif
図表3 218800-3.gif
図表4 218800-4.gif
カテゴリ 環境対策 経営管理 飼育技術 低コスト

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