タイトル |
コンテナ栽培イチジクの養分吸収特性 |
担当機関 |
愛知農総試 |
研究期間 |
2006~2009 |
研究担当者 |
鬼頭郁代
成田秋義
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発行年度 |
2008 |
要約 |
一文字整枝のコンテナ栽培イチジク「桝井ドーフィン」(3年生、結果枝6本/樹)の発芽直前から落葉直前までの乾物増加量は3813g、養分吸収量は窒素29.4g、リン6.6g、カリウム36.0g、カルシウム38.6g、マグネシウム12.7gである。
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背景・ねらい |
イチジクのコンテナ栽培で、長期間安定した樹勢を維持し、高い収量性を確保するためには、生育に応じた効率的な施肥管理が必要である。しかし、肥料成分の吸収量と生育特性の解明はほとんど行われていない。そこで、一文字整枝による「桝井ドーフィン」のコンテナ栽培に適した施肥管理方法の確立と地植え栽培への応用による施肥改善を目的に、発芽直前期から落葉直前期までの生育ステージ別の養分吸収特性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 発芽直前から落葉直前までの乾物増加量は1樹当たり3813gで、このうち、結果枝(新梢、葉及び果実)が78%を占める。また、摘心から落葉直前までの乾物増加量は全増加量の81%である(図1)。
- 収穫果実を含む落葉直前の各要素の1樹当たり含有量は、窒素40.7g、リン10.0g、カリウム49.1g、カルシウム48.8g、マグネシウム17.4gである(表1)。
- 落葉直前と発芽直前の含有量の差から求めた全生育期間の吸収量は、1樹当たり窒素29.4g、リン6.6g、カリウム36.0g、カルシウム38.6g、マグネシウム12.7gである。(表1)。
- 生育ステージ別の養分吸収は、窒素では、発芽直前から摘心までの生育前半が62.3%と高く、中でも着果開始から摘心までの吸収量は全吸収量の44.6%と最も高い。窒素以外は、着果開始以降の吸収量の割合が高い。そのうちカリウムは、着果開始から摘心までと摘心から落葉直前までの吸収割合がともに約48%を占め、リン、カルシウム及びマグネシウムは摘心から落葉直前までの期間の割合が60%を超える。(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 一文字整枝のイチジク「桝井ドーフィン」(結果枝6本/樹)は培養土40リットルのコンテナで栽培した。発芽直前から落葉直前までの4ステージについて器官別に解体し、無機成分含量を分析した(図3)。
- 上記の調査では、肥料として養液土耕用肥料(N:P2O5:K2O=15:15:15)を用い、窒素、リン酸、加里が各200mg/Lの液肥を作成し、生育に応じて0.5~1.5L/樹を毎日施用した。4月から11月までの施肥量は各要素とも48g/樹である。発芽前に、苦土石灰を200g/樹、微量要素としてFTEを5g/樹施用した。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
いちじく
施肥
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