タイトル |
切花用バラ新品種「エクラン(仮称)」の育成 |
担当機関 |
岐阜県農技セ |
研究期間 |
1998~2008 |
研究担当者 |
雨宮剛
加藤克彦
三輪俊貴
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発行年度 |
2008 |
要約 |
バラ品種「エクラン(仮称)」は、既存品種の中では数少ない鮮紅色の花色を有する。切花長は70cm以上、花弁数は40枚以上で、生産性や日持ち性、うどんこ病抵抗性についても対照品種と同等であり、産地オリジナルのアーチング栽培向け切花用品種として活用が期待できる。
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キーワード |
バラ、切花、品種、「エクラン(仮称)」
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背景・ねらい |
現在、バラ切花は、国内のみならず海外との競争が激化しており、産地オリジナル品種による差別化は、産地強化の有力なツールとなっている。このため、岐阜県オリジナルのバラ品種を育成し、県内バラ産地の活性化とブランド力強化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 平成10年に「トボネ(種子親)」×「レーザー(花粉親)」により交配を行い、平成11年に一次選抜を行った。平成12~18年に生育特性や生産性等について調査を行い、有望な1系統(系統番号:99-280-1)を選抜した。平成19年に「ノブレス」及び「セレナ」を対照品種として品種登録出願のための特性調査を行った。同時に現地試作を行って有望性を確認し、育成を完了した(図1)。
- 花弁表面の花色は鮮紅で褪色は少ない(表1)。花形は半剣弁高芯咲き、花弁数は40枚以上、花径は10cm以上の大輪咲きとなる(表1、図2)。開花速度が遅いため観賞可能日数が長い(表1)。
- 切花長は、ロックウール・アーチング栽培において70cm以上となるが、対照の2品種に比べてやや短く、コンパクトな樹形となる(表1)。
- 収量は対照の2品種とほぼ同等である。また、うどんこ病抵抗性も対照品種と同程度であることから、一般的な切花用品種と同等の生産性を有している(表1)。
- 切り上げ栽培では、細く短い切花となり易いため、アーチング栽培を行う(表2)。細い芽が発生し易いため、適宜、芽の整理を行う。
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成果の活用面・留意点 |
- 棘数が多いため、栽培管理や収穫後の取扱いに留意する。
- 「エクラン(仮称)」は品種登録出願中(出願公表済)である。また、県外への許諾は検討中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
うどんこ病
栽培技術
新品種
抵抗性
ばら
品種
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