市販防虫ネットおよび新規開発防虫ネットの防虫効果と通気性

タイトル 市販防虫ネットおよび新規開発防虫ネットの防虫効果と通気性
担当機関 群馬農技セ
研究期間 2008~2009
研究担当者 村永順一郎
宮本雅章
金井幸男
恩田紘樹(群馬繊維工試)
山田徹郎(群馬繊維工試)
河原豊(群馬大学)
下城郁雄((株)シロテックス)
中野隆雄((株)フジレース)
野口善朗((株)野口染色) 
発行年度 2008
要約 目合いが0.3mm以下の防虫ネットはコナジラミ類の侵入防止効果が高い。通気性は目合いが細かくなるほど低くなる傾向にあるが、細い糸(太さ約0.05mm)を用いている新規開発防虫ネットは、目合いが細かくなっても通気性に優れる。
キーワード 防虫ネット、通気性、遮光率、強度、コナジラミ類
背景・ねらい トマト栽培において、トマト黄化葉巻病の病原ウイルスを媒介するタバココナジラミのハウス内への侵入を防止するために、0.4mm目合い以下の防虫ネットの展張が普及しつつある。そこで、従来品(太さ0.08mm~0.19mm)よりも細い糸(太さ約0.05mm)を用いて開発した試作防虫ネット(編み物目合い0.4mm、織物目合い0.3mm)と市販防虫ネットの、コナジラミ類の侵入防止効果や通気性、遮光率、強度を比較する。
成果の内容・特徴
  1. コナジラミ類のトンネル内への侵入防止効果は、市販防虫ネットでは、「A社0.2×0.4mm」が最も高く、目合いが0.3mm以下と細かくなるほど効果が高い。試作防虫ネットでは、「織物0.3mm」の効果が高い(図1)。
  2. 通気性は、0.4mm以下の市販防虫ネットでは「C社0.4mm」が最も高く、目合いが細かくなるほど低くなる傾向にある。試作防虫ネットの通気性は、同じ目合いの市販防虫ネットと比較して、「編み物0.4mm」は約25%~75%、「織物0.3mm」は約50%優れている(表1)。
  3. 遮光率は、市販の防虫ネットでは「C社0.4mm」が最も低い。試作防虫ネットの「織物0.3mm」は同じ目合いの市販品と比べて最も低い(表1)。
  4. 引き裂き強度は、市販防虫ネットでは「A社0.2×0.4mm」が最も高い。試作ネットは非常に細い糸を使用しているため、市販防虫ネットよりも強度が低い(表1)。
  5. 防虫ネット展張トンネル内の気温は、外気温より高いが通気性が高いと低くなる。市販防虫ネットでは「C社0.4mm」が低く、試作防虫ネットでは「編み物0.4mm」が低い。また、「織物0.3mm」は遮光率が低いにもかかわらず、同等の目合いの市販品よりも通気性が高いため、気温はやや低い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 目合いの細かい防虫ネットの利用は、通気性の低下などによるハウス内環境の悪化が懸念されるので、循環扇を導入するなどして積極的な換気を図る。
  2. 市販防虫ネットの物理性データは独自に調査した結果であり、メーカー公表の値と異なる場合もある。
  3. 試作ネットの「編み物0.4mm」、「織物0.3mm」は、強度がやや劣り裂けやすいので、糸の融着方法の変更や補強のために太い糸を入れるなど、強度を高める改良を加えていく予定である。
図表1 218887-1.gif
図表2 218887-2.gif
図表3 218887-3.gif
カテゴリ タバココナジラミ トマト

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