タイトル |
のらぼう菜の食味の解明と加工利用 |
担当機関 |
埼玉農総研 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
池田順子
増山富美子
笠原香子
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発行年度 |
2008 |
要約 |
埼玉県在来のらぼう菜3種(比企、都幾川、野口種苗)の食味は、ほうれんそうと比べると甘味が強く、えぐみが少ない。のらぼう菜ゆでペーストを麺に添加するとコシが強くなり、パンに添加すると体積が増加する。
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キーワード |
茎葉菜類、地方品種、加工利用
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背景・ねらい |
地産地消運動が展開される中で、おいしさやその地方だけでしか食べられない地域の特産野菜や地方品種が注目され、地方ブランドの生産も盛んになっている。そこで、本県独自のふるさと野菜を創出し、産地化・ブランド化を図るため、地方品種のらぼう菜の食味の特性を明らかにし、加工品への利用を検討し、地産地消運動と本県産野菜の消費拡大に資する。
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成果の内容・特徴 |
- のらぼう菜3種の食味成分を同葉茎菜類のほうれんそうと比べると、甘味成分の糖についてはスクロース含量はほうれんそうが高いが、フルクトース、グルコースは、のらぼう菜が高い。また、えぐみ成分のシュウ酸、硝酸含量は、ほうれんそうに比べ低く(図1、表1)、のらぼう菜は甘味が強く、えぐみが少ない食味といえる。
- のらぼう菜3種のうち栽培が一番多い比企のらぼう菜をゆでた後ペーストにしたものを添加し製麺し、#10切刃番(3.0mm)の生麺を沸騰した湯で13分間ゆでて麺を作ると、ペーストを添加しないものに比べ、ゆで麺の厚さが厚くなり、ペーストの添加量が多いほど、ゆで麺の最大圧縮応力は大きくなり、コシが強くなる(図2)。
- 比企のらぼう菜とほうれんそうをゆでた後ペーストにしたものを添加しロールパン(生地重量50g)を作ると、ほうれんそうペーストの添加では体積があまり変化しないのに対し、のらぼう菜ペーストの添加ではロールパンの体積が大きくなる(図3)。
- 比企のらぼう菜ペーストの色はほうれんそうペーストに比べL*値(明度)がやや高く、b*値(色度)がやや高いため、ペーストを添加したうどんやパン等の加工品を作ると加工品の色は、のらぼう菜入りはほうれんそう入り比べやや明るい色調となる(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 県内農産物直売所や市場流通におけるのらぼう菜の有利販売に生かす。
- のらぼう菜の特性を生かし、地域加工品としての利用に役立てる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
加工
消費拡大
品種
ほうれんそう
良食味
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