タイトル |
風味のある乾燥タケノコの製造法 |
担当機関 |
新潟農研 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
佐藤嘉一
浅野聡
西脇俊和
渡辺聡
下条明
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発行年度 |
2008 |
要約 |
乾燥タケノコは、干し椎茸並に利用できる煮物の具材に適し、風味を残す製造方法は、蒸し、裁断、冷凍処理、乾燥と簡便な方法で製造できる。
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キーワード |
乾燥タケノコ、風味を残す、冷凍処理、簡便な方法
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背景・ねらい |
新潟県の中山間地で多く植栽されているタケノコは、旬の食材といわれ、5月前後に出荷されているが、生での流通は1~2日と短い。また、加工品では水煮や総菜(のっぺ)などに加工されているが、他の加工品は皆無である。 そこで、新潟県産タケノコの周年利用を可能にするため、干し椎茸並に利用可能な風味を残したタケノコの加工品を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 製造工程において凍結処理を行うことにより、水戻りのよい乾燥タケノコが製造できる(表1、表2、図2)。
- タケノコの加熱処理時間は、煮る場合30分、蒸しの場合60分が適当であり、乾燥後の褐変、収縮が少ない良好な品質となる(表1)。
- タケノコの冷凍処理は、-20℃以上で処理すると、吸水が容易で良く復元し、風味を残して、硬さも適当となる(表2)。
- 風味を生かした乾燥タケノコの製造工程は、まず、外皮の先端を落とし、先端部から中央付近まで内部のタケノコを傷つけないように切れ目を入れる。その後、蒸し加熱の場合60分加熱後、厚さ2cmの輪切りにし、-20℃より高い温度で冷凍する。解凍後は60℃で48時間程度乾燥する。包装は、防湿剤、脱酸素材を入れ、ヒートシールする(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 原材料は、水煮タケノコで利用しない根本の部位を利用でき、規格は2L以下のものについて同様の処理条件で製造できる。
- タケノコの先端は、輪切りにすると小さく萎縮することから水煮等の加工品に利用することが望ましい。
- 加熱時間は乾燥後の製品品質に影響し、不十分な加熱では褐変程度が進み、復元が悪くなる(表1)。
- 製造工程において蒸し器を利用する場合、原料を庫内に入れ温度が90℃に達してから60分加熱とする。処理量は予め機器容量に応じて検討する。
- 製品の流通及び保存時には品質の劣化防止のため、包装資材、乾燥剤及び脱酸素剤等を使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
乾燥
出荷調整
たけのこ
中山間地域
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