タイトル |
辛味が再現できる乾燥カラシナの製造法 |
担当機関 |
新潟農研 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
浅野 聡
西脇和俊
佐藤嘉一
|
発行年度 |
2008 |
要約 |
自生カラシナを加熱処理した後、通風乾燥することにより辛み発現成分を保持したカラシナ乾燥品が製造できる。
|
キーワード |
自生カラシナ、加熱処理、通風乾燥
|
背景・ねらい |
地域資源を生かした特色ある特産品目の開発のため、山菜の素材・特徴に適した特産加工品が求められている。 佐渡に多く自生し食用に供されている自生カラシナは、辛み発現の元となるシニグリンが多く含まれるが、辛み発現に必要な酵素ミロシナーゼが熱等に不安定なため加工品が無い。そこで、加工品開発を行い生食用以外の用途拡大を図るため、辛み成分を保持した乾燥カラシナ製造技術を開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- 佐渡産の自生カラシナには、辛み発現の元となるシニグリン含量が春期(4月)から秋期(9、10月)の自生カラシナ中に20mg/g乾物以上含まれ、辛みを発現させるのに十分な濃度である(図1)。
- 自生カラシナの加熱方法及び時間は熱水で約1分間、蒸気処理ではトウと葉を混合した場合、加熱が不十分な部分を生じない約3分間程度が適当である(表1)。
- 加熱処理時間が長いとシニグリンが失われる傾向にあり(図2)、処理時間が不十分であると葉の蒸気処理の場合のように乾燥中の褐変等により乾燥品のクロロフィル含量が低下し、品質が悪くなる(表1)。
- 通風乾燥温度は60℃、時間は24時間で良好な乾燥品ができる(表1)。
- 乾燥カラシナは加熱によりミロシナーゼが失活しているため、そのままでは辛みは発現せず、ダイコンおろし等のミロシナーゼ含有食品と混和し、辛みを発現させる必要がある。
- 自生カラシナ種子もシニグリン含量が高いため、自生カラシナ同様ダイコンおろしと混和することにより辛味が発現し、加工、調理に活用できる(図1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 乾燥カラシナをそのまま水戻しせず、ダイコンおろしと混和することにより、吸水と酵素反応により辛みが発現した歯ごたえのある調理品となる。
- 栽培したカラシナを使用する場合は辛み発現に必要な量のシニグリンを含有していることを確認する必要がある。
- 原料カラシナのサイズに応じた大きさにカットした乾燥及び均一に広げた乾燥を行わないと、乾燥時間が遅れ、製品品質が低下する可能性がある。
- 製品の流通及び保存時には品質の劣化防止のため、包装資材、乾燥剤及び脱酸素剤等の使用を考慮することが必要である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
加工
からしな
乾燥
だいこん
|