タイトル |
富山県産伝統食品(いか黒作り)の微生物特性 |
担当機関 |
富山農総技食研 |
研究期間 |
2004~2007 |
研究担当者 |
横井健二
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発行年度 |
2008 |
要約 |
市販いか黒作りの菌相は、乳酸菌が優占するものもある。発酵食品の菌相解析には、16S rDNA クローンライブラリ法が有力な方法である。
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キーワード |
いか黒作り、菌相、乳酸菌、クローンライブラリ法、16S rDNA
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背景・ねらい |
富山県の伝統食品であるいか黒作りは、いか墨を加えた塩辛で、独特の風味と外観で全国的にも高い評価を得ている。このいか黒作りの風味は、微生物による発酵によって風味が醸成されると考えられるが、その微生物相に関する最近の知見は乏しい。また、その製法も経験的、伝承的な技術に依存しており、しばしば品質のばらつきも見られる。本課題では、市販のいか黒作り3種について、最新の分子生物学的手法を用いて菌相解析を行い、いか黒作りの品質向上と安定化のための知見とする。
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成果の内容・特徴 |
- 寒天培地上に生育した任意のコロニー50個について、16S rDNAをPCR法により増幅し、ARDRA法 (Amprified Ribosomal DNA Restriction Analysis) によりグループ分けし、その塩基配列を解析して菌種を同定した。その結果試料A, Bは Staphylococcus 属、試料Cは乳酸菌に属する Weissella 属が優占種であった。(表1)
- 試料から直接DNAを抽出し、これを鋳型として16S rDNAをPCR法により増幅し、大腸菌プラスミドに挿入してライブラリを構築した (16S rDNAクローンライブラリ)。任意の50クローンについて16S rDNAを増幅し、ARDRA法によりグループ分けして塩基配列を解析したところ、試料Bは乳酸菌に属する Weissella 属が優占種であった。(表2)
- 試料Aから分離した Staphylococcus saprophyticus と Lactobacillus sakei は、近縁種に比べ10℃における増殖速度が著しく大きい。(図1)
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成果の活用面・留意点 |
- 16S rDNAクローンライブラリ法は、食品中の培養困難な微生物相解析の有力な手段である。
- 従来知られていたいか塩辛、黒作りの優占種は、Staphylococcus 属で、乳酸菌を主体とする菌相を有するものがあることは、ほとんど知られていない。
- 分離した低温増殖性に優れる菌は、他の発酵食品への応用が期待できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
ICT
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