高温登熟条件下における収量・品質面から見たコシヒカリの移植時期の晩限

タイトル 高温登熟条件下における収量・品質面から見たコシヒカリの移植時期の晩限
担当機関 富山農総セ
研究期間 2006~2008
研究担当者 松島知昭
守田和弘
杉森史郎
山口琢也
発行年度 2008
要約 近年の高温登熟条件下において砂壌土水田でコシヒカリを栽培した場合、5月中旬以降の移植では移植時期が遅いほど収量・品質が低下するが、この傾向は6月1半旬で特に顕著である。これより、収量・品質面からみた移植時期の晩限は5月6半旬である。
キーワード 高温登熟、移植時期、コシヒカリ、収量、外観品質
背景・ねらい 富山県では、平成11年以降、夏期の温暖化の影響によりコシヒカリで白未熟粒や胴割粒の混入による品質低下がみられている。そのため、平成15年より移植時期を5月上旬から5月中旬に遅らせ、品質の向上を図っている。しかし、経営規模の拡大に伴い更なる移植時期の繰り下げが必要となる場合が増えている。そこで、5月中旬から6月上旬にかけて移植を行い、収量・品質面からみた移植時期の晩限を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 移植時期が5月15日から6月5日まで7日ずつ遅れるに伴い、それぞれの移植時期の幼穂形成期、出穂期、成熟期は4日程度ずつ遅くなる。登熟期間の平均気温は、移植時期が遅いほど低下するが、それ以上に日射量が少なくなり登熟条件が悪くなる(表1)。
  2. 収量は移植時期が遅いほど低下し、6月5日移植では5月15日移植に比べ、有意に低くなる。その主な要因は、着粒数の減少によるものである(図1)。
  3. 完全粒歩合は、移植時期が遅いほど低下し、6月5日移植では75%を下回る。これは、主に乳心白・青未熟粒の増加によるものである(図2)。なお、背白・基白粒については移植時期が遅いほど低下するが、奇形、腹白、淡茶粒等は増加する(データ略)。
  4. 成熟期の倒伏程度は、移植時期が遅いほど大きい。移植時期が遅いほど、幼穂形成期の葉色が濃くなること、傾穂期以降の降水量が多いことなどにより、倒伏の危険性が高くなる(図3、一部データ略)。
  5. 以上より、5月中旬並みの収量を確保しながら75%以上の完全粒歩合を得るためのコシヒカリの移植時期の晩限は5月6半旬である。
成果の活用面・留意点
  1. 大規模経営体における作業分散計画の参考となる。
  2. 適用地域は砂質浅耕土地帯である。
  3. 施肥量は、5月15日移植、5月22日移植では、窒素成分で8.0kg/10a程度、5月29日移植、6月5日移植では、窒素成分で7.0kg/10a程度で、栽植密度は21.2株/m2程度の試験区で解析を行った。
図表1 218957-1.gif
図表2 218957-2.gif
図表3 218957-3.gif
図表4 218957-4.gif
カテゴリ 経営管理 水田 施肥 大規模経営

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