田楽に適する地ばれいしょ系統「S-6」

タイトル 田楽に適する地ばれいしょ系統「S-6」
担当機関 愛媛県農試
研究期間 1999~2001
研究担当者 玉置学
浅海英記
鳥生誠二
発行年度 2001
要約 愛媛県農業試験場が県内の中山間地から収集・選抜を行った数系統の地ばれいしょの内、S-6は、収量が少なく、秋作での出芽が遅いが、赤皮でいもが小さく、また煮いもは粘りが強くて煮崩れが少ない特徴があり、田楽用に適することが認められる。
キーワード 中山間地域、ばれいしょ、田楽
背景・ねらい 愛媛県の中山間部では、ばれいしょの古い品種が地ばれいしょとして栽培されてきた。愛媛県農業試験場が、以前に県内の中山間地から遺伝資源として収集・選抜した数系統の地ばれいしょについて、県内4カ所の中山間地での現地適応性試験を行い、地域特産品の材料としての普及性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 選抜した4系統(S-2、6、10、12)の内、愛媛県上浮穴郡美川村から収集したS-6は、いもの皮色が赤であり、肉色は白であるが秋作では中心部は赤くなり、同じ赤皮品種「アイノアカ」の黄肉色と明確な違いがある(図1、表1)。
  2. 「アイノアカ」に比較して、S-6の出芽期は春作で同時期、秋作で15日程度遅く、収量も40%程度と少ない。しかし、S-6は1いも重が小さく、煮いもの崩れがなく、粘りが強いことから、田楽用に適する(表1)。
  3. 県内4ヶ所(美川村、広田村、松野町、菊間町)中山間地における3年間の現地適応性試験では、他系統よりいも数や収量が多く、1いも重が小さく、煮崩れが少なく、粘りが強い等の特徴を持ったS-6は、地域活性化の材料として、適応性が認められる(表2)。

成果の活用面・留意点
  1. 美川村では、地域活性センターでS-6を使用した田楽の販売を計画している。
  2. S-6は、最近育成された赤ばれいしょ品種「アイノアカ」よりも収量が少ないため、特定用途向けの栽培に限定する。
  3. S-6は、戦後栽培されていた「金時」の可能性が高く、徳島県の祖谷地方で栽培されている「ごうしゅいも」と類似性が高い。

図表1 219035-1.jpg
図表2 219035-2.jpg
図表3 219035-3.jpg
カテゴリ 遺伝資源 中山間地域 春作 ばれいしょ 品種

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