ヨシへのイネグルタミン合成酵素遺伝子(GS2)の導入と形質転換体の作出

タイトル ヨシへのイネグルタミン合成酵素遺伝子(GS2)の導入と形質転換体の作出
担当機関 滋賀農総セ農試
研究期間 1998~2001
研究担当者 宮村弘明
森真理
森正之
大谷博実
竹葉剛
本田綾子
発行年度 2001
要約 水生植物ヨシの窒素吸収能の遺伝的改良のため、イネから単離したグルタミン合成酵素遺伝子をヨシに導入した。その結果、128個体の形質転換体を作出することに成功した。
背景・ねらい 近年、ヨシ(Phragmites australis)等の水生植物を利用した水質浄化システムが考えられている。そのシステムを効率的に利用するためには、さらに養分吸収能を高めた植物の育成が望まれる。
ヨシやイネ等、嫌気的土壌環境で生育する植物は硝酸イオンだけでなくアンモニウムイオン(NH4+)を直接根から吸収し生育に必要な窒素源として利用している。グルタミン合成酵素(GS2)は、根で吸収されたNH4+の有機化に関わる最初の酵素である。そこで、ヨシの根でのNH4+の有機化の促進を目的に、ヨシにイネGS2遺伝子を導入し形質転換体を作出する。
成果の内容・特徴
  1. イネGS2cDNAをイネで高発現が報告されているpIG221由来プロモーター(植物工学研究所早川氏より分譲)に連結後、pCAMBIA1300ベクターに挿入しpCAMBIA1300-RGS2を作製した(図1)。
  2. 琵琶湖岸で採種したヨシ完熟種子から誘導したカルス1796個にアグロバクテリウム菌を感染後、ハイグロマイシンで選抜した結果、2.4%にあたる44個のカルスから129個体の植物体を得た。
  3. 得られた植物体のPCR分析、サザン分析、RT-PCR分析の結果、128個体でイネGS2遺伝子が検出されRNAの発現が正常に行われていると考えられた(図2)。また、GS2に特異的に反応する抗体を用いたウエスタンブロッティング分析の結果、非形質転換ヨシと比較して強いシグナルが検出される個体が得られた(図3)。

成果の活用面・留意点
    今後、得られた個体について窒素吸収能の分析を行う必要がある。

図表1 219039-1.jpg
図表2 219039-2.jpg
図表3 219039-3.jpg
カテゴリ 土壌環境

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