タイトル |
ダイズモザイクウイルスの外被タンパク質遺伝子を導入した形質転換体の作出法 |
担当機関 |
京都農資セ |
研究期間 |
1996~2001 |
研究担当者 |
古谷規行
|
発行年度 |
2001 |
要約 |
大豆の不定胚培養系を用いて、パーティクルガン法によりダイズモザイクウイルス外被タンパク質遺伝子を導入した形質転換体を作出することができる。
|
キーワード |
ダイズ、パーティクルガン法、ダイズモザイクウイルス外被タンパク質遺伝子、形質転換体
|
背景・ねらい |
ウイルス病抵抗性品種を育成するため、まず大豆の培養系及び遺伝子導入系を確立する。確立した遺伝子導入系を利用し、ダイズモザイクウイルスのコートタンパク質(CP)遺伝子を大豆に導入した形質転換体を作出する。
|
成果の内容・特徴 |
- ダイズ培養系は、ダイズの未熟種子をD40培地に置床し、3,4週間後に生じた不定胚をさらにD20培地に置床し、二次胚、三次胚を発生させる。これらの不定胚は、同培地において、維持・増殖が可能である。
- 三次胚以上の不定胚にパーティクルガンで遺伝子導入を行う。遺伝子導入条件は、金粒子1.6μm、ヘリウム圧1100psiで導入する。
- 遺伝子の導入は、目的遺伝子とハイグロマイシン抵抗性遺伝子とをco-transformationで導入し、液体培地(FNL培地)でハイグロマイシンにより選抜を行う。ハイグロマイシンの濃度は始めの4週間は20mg/Lの濃度で、その後30mg/Lに上げ選抜を行う(図1)。
- GFP遺伝子をレポーター遺伝子に用いることにより、導入中、選抜中におけるGFP遺伝子の発現を確認することにより、導入条件や選抜条件を検討することができる。またGFP遺伝子の発現はT1 世代においても確認できる(図2)。
- 作出した形質転換体48個体からDNAを抽出しPCRを行ったところ11個体でCP遺伝子と同様の位置にバンドが検出され、遺伝子導入個体であることが確認される。それらの系統のサザン解析により、1から5コピーのCP遺伝子の導入が確認できる(図3)。また、次世代(T1 ) においてもPCRにより、CP遺伝子と同様の位置にバンドが検出され、遺伝子導入個体であることが確認される(図4)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 本法は、遺伝子導入実験毎に(供試不定胚塊約200個への遺伝子導入)、5~8系統の組換え体を作出することができることや、co-transformationで目的遺伝子と選抜マーカー遺伝子を別々に導入しており、後代において目的遺伝子のみ発現する個体を選抜することが可能であることなどから、実用的なダイズの遺伝子導入系である。
- 本法は、普通大豆品種(Fayette, Jack)にのみ有効であり、他の品種での有効性は確認していない。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
大豆
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
品種
|