タイトル |
RT-PCRによるレタスビックベインウイルスの検出法 |
担当機関 |
兵庫中央農技 |
研究期間 |
1999~2002 |
研究担当者 |
松本 純一
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発行年度 |
2001 |
要約 |
RT-PCRによるレタスビッグベインウイルス(LBVV)の検定はウイルス遺伝子1pgでも検出が可能で、植物組織内の濃度が低いと考えられるLBVVの検出に適している。また、操作は2日以内で完了する。
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キーワード |
RT-PCR、レタスビッグベインウイルス(LBVV)、検出法
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背景・ねらい |
洲本市および三原郡において、レタスに土壌伝染性ウイルス(レタスビッグベインウイルス;LBVV)によるビッグベイン病の発生が確認された。今後本病の拡大が懸念されるため早急に防除対策を行う必要がある。LBVVはこれまで迅速・確実な検出法が確立されていなかった。最近、その塩基配列が明らかになったので、高感度な検出法である遺伝子増幅法(PCR)のLBVV検出への適用をはかり、防除対策や発生の推定に寄与する。
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成果の内容・特徴 |
- 逆転写-遺伝子増幅(RT-PCR)にはApplied Biosystems社のGeneAmp EZ rTth RNA PCR Kitを使用する。反応条件は60℃30分、94℃1分の後、94℃ 15秒、60℃ 30秒のサイクルを40回行い、72℃7分で反応を終了させる。
- ウイルス遺伝子(RNA1, 2からなる)の塩基配列を基に近中四農研・笹谷氏が設計した4組のプライマーのうち、RNA2に対応する469 bpを増幅する組み合わせが再現性、特異性の面で最も適している(図1)。
- 斉藤の方法を一部改変した方法(図2の1)とChirgwin et al.方法(塩化リチウムを使用;図2の4)により抽出したRNAからRT-PCRによりLBVVのcDNAが検出できる(図2)。試料の調整から検出まで2日以内で実施可能である。
- ウイルスRNAは、1pgまで検出が可能である。一方、感染レタス葉からは原液の1,000倍希釈まで検出が可能である(図3)。以上よりRT-PCRは植物組織内の濃度が低いと考えられるLBVVの検出に適している。
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成果の活用面・留意点 |
- 症状を現していないレタス幼苗の検定や土壌診断への適用の可能性があり、これらの技術を確立することで、各種防除法の適正な利用にもつながる。
- RT-PCRにはサーマルサイクラーのような機器が必要である。また、RNAは分解しやすいので取り扱いには注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
土壌診断
防除
レタス
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