小麦「農林61号」の出穂後10日窒素追肥による高品質栽培法

タイトル 小麦「農林61号」の出穂後10日窒素追肥による高品質栽培法
担当機関 滋賀県農業総合センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 吉岡ゆう
小原安雄
鳥塚智
北浦裕之
発行年度 2001
要約 小麦「農林61号」では、出穂後10日追肥により粗蛋白含有率が向上するが、出穂前7日追肥と組み合わせて施用すれば、収量も向上する。粗蛋白含有率の増加程度は、施肥窒素4kg/10aで約2%である。
キーワード 小麦、農林61号、出穂後10日追肥、粗蛋白含有率、出穂前7日追肥
背景・ねらい 小麦の民間流通への移行に伴い、良品質小麦の安定生産と実需者ニーズに即した安定供給が緊急の課題となっている。このような中、主として出穂前・後における追肥が、収量、外観品質および粗蛋白含有率に及ぼす影響を場内および現地において検討し、本県産小麦の課題である子実の粗蛋白含有率の向上を図りながら、高品質小麦の高位安定化肥培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 出穂後10日追肥を、標肥(基肥を6㎏N/10a、追肥を12月下旬、3月上旬、出穂前7日の3回各2㎏N/10a)に加えて施用することにより、成熟期は1~2日遅延する。倒伏への影響はみられない(表1、表2)。
  2. 出穂後10日追肥の施用により千粒重が大きくなり増収するが(表1、表2)、出穂前7日追肥を施用しないと減収する(表1)。
  3. 出穂後10日追肥の施用により容積重は増大する(表1、表2)。
  4. 出穂後10日追肥の施用により硝子率は高くなり、外観品質はやや低下する(表1、表2)。
  5. 子実の粗蛋白含有率は、出穂後10日追肥の施用量の増加に伴いほぼ直線的に増加する(図1)。
  6. 出穂後10日に、10a当たり窒素成分4kg施用すると、粗蛋白含有率は1.4~3.1%(平均2%)増大し、施肥窒素1kg当たりでは0.4~0.8%(平均0.5%)増大する(表1、表2)。

成果の活用面・留意点
  1. 2002年(平成14年)3月改訂の県麦・大豆栽培指針に反映させる。
  2. 粗蛋白含有率の目標値を10%とし、現状が8.5%であれば、出穂後10日追肥の施肥窒素量は10a当たり約3kg必要である。ただし、穂数(粒数)が少なく、生育の劣る場合は追肥量を減じ、子実の高蛋白化による小麦粉の色調劣化を抑制する。
  3. 圃場の排水対策を十分に行った上で本技術を適用すること。

図表1 219049-1.jpg
図表2 219049-2.jpg
図表3 219049-3.jpg
カテゴリ 小麦 施肥 大豆

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる