アズキモザイク病抵抗性アズキ新品種候補系統「3系-7」

タイトル アズキモザイク病抵抗性アズキ新品種候補系統「3系-7」
担当機関 京都農総研
研究期間 1986~2001
研究担当者 河合哉
山下道弘
寺嶋武史
小坂能尚
静川幸明
福西務
発行年度 2001
要約 京都府の奨励品種である「京都大納言」に府内で収集した在来種を交配し、アズキモザイクウイルス(ABMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)の両方に強い抵抗性を有し、製あん特性に優れる大納言小豆を育成した。
キーワード アズキ、ウイルス病抵抗性、アズキモザイクウイルス、京都大納言
背景・ねらい 京都府丹波地域で生産される小豆は、実需者から高く評価され「丹波大納言」と呼ばれている。「丹波大納言」は多様な形質を包含した系統群であったことから、府内在来種の純系淘汰による「京都大納言」を育成、1981年奨励品種に採用した。本種はCMVに抵抗性であるがABMVには罹病性であるため、1988年、ABMVに抵抗性を有する在来種を見いだし、交雑育種により両ウイルスに抵抗性の高品質小豆品種を育成した。
成果の内容・特徴
  1. 1989年、CMVに抵抗性を有する「京都大納言」にABMVに抵抗性を有する在来種(No.39 園部町在来種)を交配、両方のウイルスに強い抵抗性を持つ個体を選抜した。その後、粒大、品質、成熟期で選抜し、2000年加工適性評価により「3系-7」を選抜した。その特性は、以下のとおりである。
  2. 7月中旬播種では、9月上旬に開花、11月上旬に成熟する秋型に属する晩生種である。
  3. 主茎長は中で「京都大納言」より長く、主茎節数は中、分枝数は多、耐倒伏性は弱である(表1)。熟莢色は褐色、種皮色は濃赤色、子実の形状は烏帽子、百粒重は26gと極大粒である。精子実重は京都大納言とほぼ同等である(図1、表1、2)。
  4. 府内で発生が見られるABMV、CMV両方に対して強い抵抗性を有する(表2)。
  5. 製あん業者による加工適性評価(7項目)は、風味、香りとも「京都大納言」を上回り、煮くずれしにくい特性を有する(図2)。

成果の活用面・留意点
  1. 新育成品種「3系-7」は府内中・北部の平坦地に適する。しかし、成熟期が「京都大納言」に比べ10日遅いため、11月上旬に霜害の恐れがある地域への導入は避ける。
  2. 播種適期は7月中旬頃で、晩播密植栽培には適さない。倒伏抵抗性が弱く、中耕培土は必要である。栽植密度は「京都大納言」に比べ疎植栽培とする。
  3. 現在、品種登録作業を進めている。

図表1 219050-1.jpg
図表2 219050-2.jpg
図表3 219050-3.jpg
図表4 219050-4.jpg
カテゴリ あずき 育種 加工適性 きゅうり 新品種 抵抗性 播種 品種

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