タイトル |
植物内生菌を利用したホウレンソウ萎凋病防除 |
担当機関 |
京都農資セ |
研究期間 |
1997~2001 |
研究担当者 |
小坂能尚
津田和久
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発行年度 |
2001 |
要約 |
植物内生菌Enterobacter cloacae SM10株でホウレンソウ種子を浸漬処理すると、ホウレンソウ萎凋病(Fusarium oxysporum f.sp. spinaciae )の発病が抑制される。
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キーワード |
ホウレンソウ萎凋病、生物防除、植物内生菌、Enterobacter cloacae
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背景・ねらい |
夏季の雨よけ栽培において著しい被害をもたらすホウレンソウ萎凋病に対して、植物の体内に生息している植物内生菌を利用した防除技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- ホウレンソウの根内部から細菌Enterobacter cloacae SM10株を分離し、SM10株の細菌懸濁液に22℃、24時間浸漬処理したホウレンソウ種子(品種 おかめ、ネーキッド種子、薬剤コーティングなし)を汚染ほ場に播種すると、SM10株による発病抑制効果が認められる(表1、図1)。
- 同様の方法でSM10株を浸漬処理したホウレンソウ種子を播種すると、根導管内部に細菌が認められる。さらに、SM10株の抗体を用いた免疫電顕では、根導管内部に認められた細菌に金コロイド粒子の特異的なシグナルが認められる(図2)。これらのことから、SM10株はホウレンソウ体内に生息する植物内生菌であることが認められる。
- SM10株は、ホウレンソウを含め、キュウリ、ナスなど主要な9科13作物には病原性や生育抑制を示さない。これらのことから、E. cloacae SM10株は実用的な生物防除エージェントとなりうる。
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成果の活用面・留意点 |
- Rhizoctonia による株腐病には発病抑制効果がないので、株腐病が発病するほ場ではトリクロホスメチル剤等の株腐病防除薬剤の併用が必要である。
- ホウレンソウ種子へのSM10株の効果的、効率的なコーティング処理方法の開発が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
きゅうり
なす
播種
品種
防除
ほうれんそう
薬剤
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