タイトル |
オガクズベンチ育苗における太陽熱処理によるイチゴ萎黄病の防除 |
担当機関 |
奈良農技セ |
研究期間 |
2001~2001 |
研究担当者 |
西崎仁博
藤田圭二
堀本圭一
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発行年度 |
2001 |
要約 |
イチゴオガクズベンチ育苗において親株定植前5~6月の太陽熱処理によりイチゴ萎黄病の高い防除効果が認められる。
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キーワード |
太陽熱処理,オガクズ育苗,ベンチ育苗,イチゴ萎黄病
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背景・ねらい |
2005年の臭化メチルの全廃に伴い,イチゴ育苗床における萎黄病対策として土壌と隔離した、オカクズベンチ育苗が普及しつつある。既存の代替薬剤ではオガクズの消毒が不十分であるため,親株定植前5~6月の太陽熱処理によるイチゴ萎黄病の防除効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- オガクズベンチにおけるクロルピクリン剤等の薬剤処理では、フザリウム属菌に対する防除効果は不十分である(表1)。
- オガクズ培養したイチゴ萎黄病菌は、45℃96時間処理で死滅する(表2)。
- イチゴオガクズベンチ育苗において親株定植前の5月18日~6月26日にビニール被覆(2重)による太陽熱処理を実施すると、45℃以上の積算時間は処理21日目で88時間に達し、40日間で176時間である(表3)。
- 上記のオガクズベンチにおける太陽熱処理はイチゴ萎黄病に対しての高い防除効果が認められる(表4)。
- 以上の結果、イチゴのオガクズベンチ育苗において親株定植前5~6月に30~40日間の太陽熱処理により萎黄病を防除することが可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- イチゴオガクズベンチ育苗において親株定植前5~6月の1ヶ月間処理で有効と考えられるが,天候不順の場合は処理期間を延長する。
- 処理はハウス被覆に加えて,ベンチもビニール被覆を行う。また,オガクズが乾燥していると効果が劣るため,被覆前に十分かん水する。
- イチゴ親株は処理後すぐに定植することが可能である。
- オガクズベンチは夏期に培地温が上昇しやすいため,育苗期間中にはハウスのシルバー寒冷紗被覆と自動かん水装置の設置が望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
萎黄病
育苗
いちご
乾燥
栽培技術
防除
薬剤
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