砂質土壌でのカーバムナトリウム塩液剤の低濃度多量散布による土壌消毒

タイトル 砂質土壌でのカーバムナトリウム塩液剤の低濃度多量散布による土壌消毒
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1998~2002
研究担当者 吉本 均
久田 ゆかり
発行年度 2001
要約 砂質土壌でカーバムナトリウム塩液剤を200倍に希釈し、10a当たり12m3 散布(原液60L/10a)する低濃度多量散布は、ショウガ根茎腐敗病及び雑草の防除に有効である。
キーワード 砂質土壌、カーバムナトリウム塩液剤、散布、ショウガ根茎腐敗病
背景・ねらい 和歌山市内の都市近郊砂地地帯ではショウガのハウス栽培が盛んで、根茎腐敗病及び雑草防除対策として臭化メチルが慣行的に使用されてきた。その代替薬剤として低温期に防除効果の優るカーバムナトリウム塩液剤の散布土壌混和を選定したが、さらに簡便で刺激臭の発生が少なく、土壌深部まで防除可能な低濃度多量散布法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 砂客土ガラスハウスでカーバムナトリウム塩液剤を200倍に希釈し、灌水パイプで12m3 /10a散布すると、地下30cmまでのショウガ根茎腐敗病菌及びフザリウム属菌を死滅させる。糸状菌数、細菌数も地下30cmまで低下させ、地下50cmでも減少傾向がみられ、生物検定でも地下30cmまで防除効果がみられる(表1)。
  2. 冬期(2月)の散布処理により、ショウガ根茎腐敗病に対して栽培後半まで発病が抑制され、高い防除効果を示す。また、雑草に対しても高い抑草効果が見られ、薬害は観察されない(表2)。
  3. 本剤の散布処理は特別な機器を必要とせず、施設外より処理ができ安全である。
  4. 以上のことから、砂質土壌のショウガ栽培におけるカーバムナトリウム塩液剤の低濃度多量散布は土壌病害と雑草防除に有効で、処理の簡便さからも臭化メチル代替薬剤として有望である。

成果の活用面・留意点
  1. 本剤の散布は液肥混入機等を利用し、既設の灌水設備で簡易に処理できる。
  2. 薬液の気化の少ない低温時間帯に施設を密閉して散布する。
  3. 土壌を適湿にし、灌水資材に薬液を残さないために、薬液散布の前後に灌水を行う。
  4. 砂質土壌では下層部への薬液移動が良好であるが、横への水分移動が少ないので散布むらがないよう注意する。
  5. 散布後は施設内を換気し、速やかにビニルフィルム等で被覆する。その際、従来の処理法と同様にマスク等を着用し、安全対策を講ずること。
  6. 本剤の散布処理法は、ホウレンソウで農薬登録されており、ショウガでは登録申請予定である。

図表1 219084-1.jpg
図表2 219084-2.jpg
カテゴリ 病害虫 雑草 しょうが 土壌消毒 農薬 防除 ほうれんそう 薬剤

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