イチゴにおけるワタアブラムシ防除のための天敵(コレマンアブラバチ)放飼時期

タイトル イチゴにおけるワタアブラムシ防除のための天敵(コレマンアブラバチ)放飼時期
担当機関 島根農試
研究期間 2000~2002
研究担当者 板垣紀夫
澤村信生
発行年度 2001
要約 施設土耕栽培イチゴにおいて、栽培期間中のワタアブラムシ密度を収穫果に影響がない程度に抑制するためのコレマンアブラバチの放飼時期は、ワタアブラムシ寄生株率が秋では5%程度である。
キーワード ワタアブラムシ、コレマンアブラバチ、放飼、寄生株率
背景・ねらい 近年、環境保全型農業が重視されるようになり天敵をはじめとする生物農薬の登録が進むと共に、イチゴ栽培においても天敵を用いてアブラムシ類防除を試みる農家が増えてきた。しかし、放飼時期、放飼量などの目安が明確でないため容易に利用できない状況にある。そこで、アブラムシ類の寄生株率を目安とした適切な天敵(コレマンアブラバチ)放飼時期について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 促成栽培イチゴでのコレマンアブラバチ(Aphidius colemani )を3.6a当たり500頭を放飼した場合、放飼21~30日後よりマミーが認められる。秋の放飼時におけるワタアブラムシ寄生株率が4.0%以下の場合、栽培期間を通してワタアブラムシによる収穫果への被害は認められない。しかし、10.0%(1999年)、7.6%(2001年)では、葉、果梗、果実にすす病を発生する株がみられる。(表1、図1)
  2. コレマンアブラバチ放飼後のワタアブラムシ寄生株率の推移は、7日~10日に2倍以上に増加する場合が多く見られる。(表1)
  3. 以上の結果、ワタアブラムシの寄生株率が秋では5%程度でコレマンアブラバチの放飼を行うとワタアブラムシの密度を収穫果に影響がない程度に抑制できる。

成果の活用面・留意点
  1. 天敵放飼の時期を決定するワタアブラムシの調査は1週間から10日の間隔で圃場全体で少なくとも50株程度について行う。天敵は数カ所に放飼する。
  2. ワタアブラムシ数が極度に多い場合は薬剤のスポット散布を併用する。
  3. コレマンアブラバチが寄生しない種類のアブラムシの発生に注意が必要である。
  4. 今後、加温栽培での放飼時期についても検討する必要がある。

[具体的なデータ]
図表1 219091-1.jpg
図表2 219091-2.jpg
カテゴリ 病害虫 いちご 農薬 防除 薬剤 わた

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