タイトル |
施設ピーマンにおけるミカンキイロアザミウマの薬剤防除 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
古味一洋
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発行年度 |
2001 |
要約 |
施設ピーマンでは、定植時にアセフェート粒剤を処理し、ミカンキイロアザミウマの密度急増期にスピノサド水和剤、クロルフェナピル水和剤、DDVP乳剤などを散布することで、密度を低く抑え、本種が媒介するトマト黄化えそウイルスによる病害の発生を防ぐことができる。
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キーワード |
ミカンキイロアザミウマ、施設ピーマン、TSWV、薬剤防除
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背景・ねらい |
近年、県内の野菜類、花き類でミカンキイロアザミウマを含むアザミウマ類によって媒介されるトマト黄化えそウイルス(TSWV)による病害が発生し、問題となっている。本種は海外からの侵入害虫で、寄主範囲が極めて広いうえに薬剤感受性も低い。このため、今後本種の分布拡大に伴い、多くの作物でTSWVによる病害発生が問題化するおそれが大きい。そこで、本種に対する有効薬剤の探索を行い、本県の主要果菜類である施設ピーマンにおいて、黄化えそ病発生地域を想定した本種の体系防除による効果を実証する。
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成果の内容・特徴 |
- ミカンキイロアザミウマに対して粒剤ではアセフェート粒剤の防除効果が高い(表1)。
- ミカンキイロアザミウマ成虫に対してはDDVP乳剤、スピノサド水和剤、クロルフェナピル水和剤の効果が高い。さらに、幼虫に対しては上記の薬剤の他に、スルプロホス乳剤、アクリナトリン水和剤、エマメクチン安息香酸塩乳剤、クロルフルアズロン乳剤、フルフェノクスロン乳剤、ルフェヌロン乳剤の防除効果が高い(表2)。
- 定植時にアセフェート粒剤を処理し、ミカンキイロアザミウマの密度急増期にスピノサド水和剤、クロルフェナピル水和剤、DDVP乳剤などを散布することで施設ピーマンでの本種の密度を低く抑えることができる(図1、2)。
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成果の活用面・留意点 |
- アセフェート粒剤、DDVP乳剤のピーマンへの作物登録はあるもののミカンキイロアザミウマに対する登録はない。
- ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマとの同時防除をかねてハウス開口部への防虫ネット被覆、シルバーポリフィルムによる畦上へのマルチングを行う。
- 野外のミカンキイロアザミウマの密度が極めて低い条件下での試験である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
黄化えそ病
害虫
くり
栽培技術
ピーマン
ヒラズハナアザミウマ
防除
ミナミキイロアザミウマ
薬剤
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