タイトル |
増菌操作及び抗血清反応を利用した青枯病菌の土壌からの検出 |
担当機関 |
大阪府立農林技術センター |
研究期間 |
1996~2001 |
研究担当者 |
中曽根 渡
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発行年度 |
2001 |
要約 |
青枯病菌の土壌からの検出に際して増菌操作を加えることにより、青枯病菌を従来型の希釈平板法よりも高い検出率で把握することができる。また、増菌液の抗血清反応の有無により、短時間で土壌診断が可能となる。
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キーワード |
青枯病菌、土壌、検出法、増菌操作、抗血清反応
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成果の内容・特徴 |
- 青枯病菌の土壌からの検出感度について、現在行われている希釈平板法と増菌法(5ppmのクリスタルヴァイオレット溶液にシクロヘキシミド、ポリミキシンB硫酸塩:50ppm、クロラムフェニコール:10ppmおよびTTC:25ppmを添加(最終濃度)した液体培地を使用し、30℃下で培養)とを比較検討した結果、汚染土壌を直接増菌(選択液体培地9に対して1の土壌を添加し(V/W)、培養)した場合には10 size=-1>2 倍に精度を上げることができる(表1)。
- 汚染土壌の希釈液を増菌(選択液体培地9に対して1の土壌希釈液を添加し(V/W)、培養)した場合には、希釈平板法と比較して、10 size=-1>3 ~10 size=-1>4 倍に検出感度を上げることができる(表1)。
- 汚染土壌の10倍段階希釈液に等量の選択液体培地を加え、24~48時間増菌し、その増菌液を抗血清反応(混合法)の有無により、青枯病菌を短時間に検出することが可能となる(表2)。
- 選択培地上で生育する青枯病菌およびそれ以外の細菌との血清反応試験を検討した結果、褐色の水溶性色素を産生する紅色コロニーのみが反応したことから、選択培地を使用する限りにおいては、抗血清の特異性は高いと推察される(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 増菌液を選択寒天培地に接種し、そのコロニー形態から青枯病菌を検出する場合、青枯病菌と類似するコロニーがあり、その識別が困難な場合が認められる。
- そこで、増菌液を用いて、混合法による抗血清反応を利用して検出する場合には、抗血清の特異性が問題となる。現在のところ、選択培地上で生育し、検出される青枯病菌以外の菌が抗血清と反応するものは認めていないが、場合によっては誤診する可能性もあるので、注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
青枯れ病
くり
土壌診断
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