ナスの音叉型整枝法の開発および農薬散布の改善

タイトル ナスの音叉型整枝法の開発および農薬散布の改善
担当機関 奈良農技センター
研究期間
研究担当者 西川 学
西村憲三
谷川元一
発行年度 2001
要約 従来の整枝法に比較して、誘引面と誘引面の間隔を狭く、反対に畝間(通路)を広くした新しい整枝法-音叉型整枝法を開発した。本整枝法は農薬散布の効率が高く、作業者への農薬ばく露が少ない。また、収穫や栽培管理等の作業を容易にできる。
キーワード ナス、整枝法、農薬散布、作業効率、ばく露、作業空間
背景・ねらい 従来のナス整枝法(VおよびU字型)は高収量を主目的に開発されたものであり、農薬散布の効率化や作業者の健康、作業環境についてはほとんど考慮されていない。これらを改善するため、音叉型整枝法を開発し、収量および葉面での農薬付着量、作業者のばく露について調査した。
成果の内容・特徴
  1. 音叉型整枝法は図1および図2に示すとおりであり、品種は千両二号、畝間1.8m・株間60cmで、主枝を6本仕立てとし、フラワーネットに誘引した。
  2. 調査期間中(6月~11月)、果実収量(秀・優果)は14.6t/10aであった(図3)。なお、V字型の平均収量は14.0t/10aである(昭和55年度、奈良県高田農業改良普及所調査)。
  3. ナスの主な病害虫は葉裏で発生する。音叉型整枝法で農薬を散布したとき、通路側の葉裏での農薬付着量はV字型整枝法の場合よりも多い(図4)。また、V字型整枝法では、誘引面と誘引面に挟まれた部分(畝側)に農薬が到達しにくいが、音叉型整枝法では、その部分が構造上存在しない(図1、図2)。よって、農薬による病害虫防除をする上で、音叉型整枝法は有利である。
  4. 音叉型整枝法では、通路幅が広く、通路側に突き出た茎葉が少ないので、農薬散布中に作業者に接触する茎葉が少なく、作業者のばく露がV字型整枝法に比較して著しく少ない(図5)。
  5. 音叉型整枝法では、通路幅が広いので、収穫や散布の作業が容易にできる。
成果の活用面・留意点
  1. 作業者に対し優しい作業環境を確保できる。
  2. 農薬散布の効率が高く、回数を減少させることができる。
  3. 主枝を直立させて誘引するので、立性が強い。主枝の切り返しは、高さ1.5mにまで切り返す場合は2回、高さ1mの場合は1回必要である。
図表1 219117-1.jpg
図表2 219117-2.jpg
図表3 219117-3.jpg
図表4 219117-4.jpg
図表5 219117-5.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 栽培技術 なす 農薬 病害虫防除 品種

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