タイトル |
家畜糞混合堆肥による砂丘地ナガイモの減肥栽培 |
担当機関 |
鳥取園試 |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
林 悦之
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発行年度 |
2001 |
要約 |
家畜糞混合堆肥を2t/10a施用することにより、砂丘地ナガイモに施用する化学肥料を5割削減できる。[キ-ワ-ド]堆肥、砂丘地、ナガイモ、化学肥料5割削減
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背景・ねらい |
鳥取県では、環境にやさしい農業を推進するために、農薬・化学肥料の5割削減に取り組んでいる。そこで、砂丘地ナガイモ栽培ほ場において、化学肥料を5割削減できる家畜糞混合堆肥の施用量を確定する。
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成果の内容・特徴 |
- 家畜糞混合堆肥(以下、堆肥と言う。)は、おがくず牛糞、豚糞、鶏糞を重量比で5:4:1の割合で混合し、8~9ヶ月間発酵熟成させたものである。窒素、燐酸、加里含量は、それぞれ0.8%、1.6%、1.0%である。
- 慣行の施肥窒素量40kg/10aの芋重は、980g/本である。慣行の半分の施肥窒素量20kgの芋重は743gと減るが、堆肥2t/10aを併用することにより、246g増加し、慣行の施肥窒素量並みの989gになる。なお、堆肥の量が多くなると1t当たりの芋重の増加量は低下する(図1)。
- ナガイモの生育が旺盛な時期の一時点(7/下~8/上)の施肥窒素量20kg/10aまたは堆肥2t/10a施用の場合の土壌の電気伝導度は0.02dS/mであり、両者を併用すると慣行と同じ0.03dS/mになる(表1)。
- 施肥窒素量40kg/10aの10a当たり窒素吸収量18.8kgに対し、芋の大きさが同程度である施肥窒素量20kg/10aに堆肥2t/10aを加えたものは14.2kgに減少する。この内訳は、化学肥料によるもの10.3kg、堆肥によるもの2.3kg、無肥料2.2kgである(表2)。
- 砂丘畑への堆肥の多投は、土壌溶液中の硝酸態窒素濃度を高める(図2)。
- 以上の結果から、化学肥料を5割削減して、慣行施肥量並みの芋重が得られる堆肥の施用量は2t/10a施用である。
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成果の活用面・留意点 |
[成果の活用用面・留意点]
- 対象土壌は、砂丘未熟土で、作物はナガイモとする。
- 堆肥は、十分に醗酵し、熟成したものを用いる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
施肥
鶏
農薬
豚
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