養液土耕栽培の夏秋トマトにおける窒素の栄養および土壌診断指標

タイトル 養液土耕栽培の夏秋トマトにおける窒素の栄養および土壌診断指標
担当機関 広島農技セ
研究期間 1998~2000
研究担当者 國田丙午
宮地勝正
伊藤純樹
発行年度 2001
要約 養液土耕栽培での夏秋トマトにおいて、腋芽硝酸含量による栄養診断指標は1段花房直下で新鮮重1kg当たり3,800~3,500mg、3段目で2,200~1,800mg、4~15段では1,900~1,300mgが適し、硝酸含量による土壌診断指標は栽培期間を通して生土1kg当たり45~100mgが適している。
キーワード 養液土耕栽培、夏秋トマト、硝酸、腋芽、栄養診断、土壌診断
背景・ねらい 作物の栽培期間中における植物体と土壌の窒素の過不足をリアルタイムに判断することは重要である。そこで、養液土耕栽培の夏秋トマトにおいて、施肥窒素量の違いが植物体(腋芽)と土壌中の硝酸含量及び収量、外観品質に及ぼす影響について検討し、夏秋トマトにおける硝酸の栄養、土壌診断指標を策定する。
成果の内容・特徴
  1. トマトの試料採取は午前中とし、開花花房直下から10cm程度に伸長した腋芽(葉数2.5枚)の葉部を取り除いた茎部7~10個体の試料とする。腋芽は1cm程度の細片として、腋芽1に対して水を10(重量比)加えてミキサ-で30秒摩砕後ろ過する。ろ液を水で2倍に希釈し、小型反射式光度計を用いて硝酸を測定する。
  2. 採土位置は、点滴チューブの吐出ピッチの中間で畝表面から深さ5~15㎝とする。生土は粗大物を取り除き、生土1に対して水を2(容積比)加えて、1分間手で振とうしてろ過後、ろ液の硝酸を植物体と同様の分析器具で測定する。
  3. 総収量及び上物収量は窒素成分で株当たり20g施用が最も多く(図1)、窒素20g施用における腋芽の新鮮重1kg当たりの硝酸含量は、1段花房直下の腋芽で3,800mgあったものが、3段目で1,800mgまで顕著に低下する。4~6段までは緩やかに低下し、7~15段では1,500mg程度で推移する(図2)。
  4. 窒素20g施用における土壌の硝酸含量は、栽培期間を通して生土1kg当たり45~100mgの範囲で推移する(図3)。
  5. 以上の結果、表1のとおり花房直下の腋芽の硝酸含量による栄養診断指標を、表2のとおり硝酸含量による土壌診断指標を示す。
成果の活用面・留意点
  1. 腋芽と土壌中の硝酸測定値がともに指標の範囲内の場合、施肥は基準どおりに管理する。また、腋芽と土壌中の硝酸測定値がともに指標の上限値を上回る場合、施肥は基準よりも減量して管理する。一方、腋芽と土壌中の硝酸測定値がともに指標の下限値を下回る場合、施肥は増量する。
  2. 腋芽の診断指標は、慣行施肥法での夏秋トマト栽培にも適応できる。
図表1 219120-1.jpg
図表2 219120-2.jpg
図表3 219120-3.jpg
図表4 219120-4.jpg
図表5 219120-5.jpg
カテゴリ 栄養診断 施肥 土壌診断 トマト

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