ユリに発生する「スミ症」(仮称)の原因と対策

タイトル ユリに発生する「スミ症」(仮称)の原因と対策
担当機関 高知農技セ
研究期間 1997~2000
研究担当者 岡林美恵
糸川修司
北村明久
発行年度 2001
要約 オリエンタル系ユリやアジアティック系ユリにおいて、下位葉から中位葉の葉先が黒変する生理障害は、鉄の過剰吸収が原因と考えられ、土壌の酸性化や多肥によって助長されることが判明した。
キーワード ユリ、生理障害、スミ症、鉄過剰、土壌pH、施肥量
背景・ねらい 県内で生産されるユリ類の中で主体となっているオリエンタル系、アジアティック系ユリの球根は、ほとんどオランダから輸入されており、球根の素性や品種特性が不明なものが多い。このため、栽培農家の経験に頼った養水分管理が行われているが、通称「スミ症」と呼ばれている葉の生理障害が発生し、品質の低下を招いている。そこで、本障害の発生原因を明らかにし、対策技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 本障害は、主に下位葉の葉先や葉縁、葉脈間が筋状に茶褐色ないし黒変するもので、症状が激しくなるに従って徐々に上位葉へと進行する。アジアティック系ユリの場合、さらに症状が激しくなると下位葉から落葉することがある。発生時期は出蕾期以降が多い(写真1)。
  2. 障害が発生した株の葉中の鉄含有量は、正常な株に比べて高く、特に症状が現れる葉先部分が顕著に高い(第1図)。
  3. 障害の発生程度は、基肥窒素施用量が同じ場合、土壌pHが低くなるに従って増加する傾向が認められる。また、土壌pHがほぼ同じ場合には、基肥窒素が20kg/10a以上になると発生程度が増加する(第2図)。
成果の活用面・留意点
  1. オリエンタル系ユリは、土壌pHが高くなると上位葉が黄化する場合があるため、pHは5.8~6.2程度を目標とする。基肥窒素施用量は15kg/10a以内とする。
  2. アジアティック系ユリは、土壌pHは低い方が生育は良くなるが、スミ症の発生を軽減するためには6.0~6.5程度にする必要がある。基肥窒素施用量は10kg/10a程度とする。
[具体的デ-タ]
図表1 219122-1.jpg
図表2 219122-2.jpg
図表3 219122-3.jpg
カテゴリ 肥料 生理障害 施肥 品種 ゆり

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S