養液土耕栽培によるキュウリ(半促成栽培)の施肥量低減

タイトル 養液土耕栽培によるキュウリ(半促成栽培)の施肥量低減
担当機関 高知農技セ
研究期間 1998~2000
研究担当者 恒石義一
発行年度 2001
要約 養液土耕(灌水同時施肥)栽培法を用いることにより、土壌中の無機態窒素量は低レベルで推移し、収量、品質を低下させることなく、窒素施肥量を慣行施肥の7割程度まで低減できる。また、キュウリの窒素吸収量とほぼ同量で栽培が可能である。
背景・ねらい キュウリ栽培では、養分吸収量に比べ施肥量が多く、連作による養分集積や環境への負荷が懸念されている。作物の生育に合わせて必要な養分を灌水と同時に供給できる養液土耕栽培は、効率的な施肥が可能とされ、環境負荷軽減と併せて増収も期待できる。
そこで、半促成栽培(2~5月)において、養液土耕栽培を用いた施肥量の低減を図る。
成果の内容・特徴
  1. 養液土耕栽培では、収量、品質を低下させることなく、窒素施肥量を慣行施肥の7割程度まで低減でき、キュウリの窒素吸収量とほぼ同量で栽培が可能である(表1、図2)。
  2. 養液土耕栽培における灌水量は、1日当たり0.8~2.5L/株とし、施肥窒素濃度は、灌水量の変化に対応させ、350~90ppmとする(表2)。
  3. 養液土耕栽培で施肥量を低減すると、土壌中の無機態窒素量は栽培期間を通じて低レベルで安定して推移する(図1)。
  4. 養液土耕栽培における施肥設計は、栽培期間と目標収量および窒素吸収量(果実1を得るのに10a当たり窒素は2.8kg程度吸収)を基に行い、目標収量に窒素吸収量を乗じたものを基準施肥量とする(表1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 養液土耕栽培に当たっては、地力を維持するため良質堆肥等の施用による土づくりを行う。
  2. 施肥設計は、作付け前の土壌診断結果を考慮して行い、養分欠乏を招かないため他の養分吸収量(果実1tを得るのに10a当たりリン酸は1.5kg程度、加里は3.3kg程度吸収)に留意する。
  3. 葉柄の汁液や土壌溶液の簡易診断を併用するとともに、灌水量、回数を天候および生育に合わせて変化させることにより生産の安定と環境負荷の軽減につながる。
  4. 適用範囲は、水田等の粘質土壌におけるキュウリの半促成栽培地帯とする。
図表1 219124-1.jpg
図表2 219124-2.jpg
図表3 219124-3.jpg
図表4 219124-4.jpg
カテゴリ 土づくり 簡易診断 きゅうり 水田 施肥 土壌診断

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