タイトル |
深型チェーンポット利用による夏秋どり九条ネギの在ほ期間の短縮 |
担当機関 |
京都府丹後農業研究所 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
林 健
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発行年度 |
2001 |
要約 |
九条ネギのハウス夏秋どり移植栽培において、深型チェーンポットを利用して育苗期間を約2週間延長することにより本ぽ期間を約10日短縮することが可能となる。
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キーワード |
ネギ、深型チェーンポット、育苗期間、在ほ期間
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背景・ねらい |
京都府北部では、ミズナを中心としたハウス軟弱野菜栽培が行われているが、夏期はミズナの生育期間が短く、収穫等の作業が集中するので、その対策として夏秋どりネギが導入されている。しかし、ネギは生育期間が長く、後作のミズナの作付け回数が制限される等の問題がある。特に京都府北部の丹後地域では秋冷が早く、後作ミズナの抽台や雪害を回避するために年内に収穫を終える必要がある。ネギの在ほ期間を短縮させることがハウスの効率的利用に有効であるので、深型チェーンポットを利用した育苗日数の延長が苗質、本ぽでの生育、収量に及ぼす影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 深型チェーンポット(N社製CP305(264穴):以下、深型ポット)は直径3cm、深さ5cm、容量29mlで、通常型(N社製CP303(264穴):以下、通常型ポット)の容量18mlに比べて容量が61%増加し、必要とする育苗用土の量も増加する(図1)。
- 育苗用土としてN社スーパー培土を用いる。
- 播種量は、1ポット当たり5粒程度とする。
- 育苗期間は従来27日間であったものを42日間とすることにより、深型ポット、通常型ポットのいずれも苗重、葉しょう径ともに大きくなる。特に深型ポットを利用した育苗での増加が大きい(表1)。
- 深型ポットを利用した42日間育苗は、苗質(苗重、葉しょう径)が良好となる。また、定植後から収穫まで一貫して生育が良好で、定植から収穫までの在ほ期間が従来の通常型ポットを利用した場合に比べて、10日程度短くなる(表2、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウスの効率的な利用が可能となるので、軟弱野菜の輪作体系の改善に役立つ。
- 高温時の発芽を揃えるため、播種から発芽始めまでミラーマルチなどで被覆する方がよい。
- 育苗期間中は週1回から2回液肥を施用する。
- 42日育苗では、育苗期間中に葉先が垂れるようになり、隣の株と絡み合ったりする場合があるので、播種3週間後に草丈10cm程度となるように剪葉する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
栽培技術
ねぎ
播種
みずな
野菜栽培
輪作体系
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