中山間地域におけるホウレンソウおよびコマツナの夏秋どり栽培技術

タイトル 中山間地域におけるホウレンソウおよびコマツナの夏秋どり栽培技術
担当機関 徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所
研究期間 1997~2001
研究担当者 久米洋平
佐藤佳宏
杉本和之
板東一宏
発行年度 2001
要約 この栽培体系は、ホウレンソウでは雨よけ資材に近紫外線カットフィルムを被覆し、シードテープによる溝底播種を行うことにより、収量の向上、省力化が図れる。コマツナでは簡易太陽熱消毒7日間処理と0.8mm防虫ネットで雑草と害虫が防除できる。また、本体系の施肥は発酵鶏糞堆肥のみ連年施用で化成肥料と同等以上の収量が得られる。
キーワード ホウレンソウ、コマツナ、近紫外線カットフィルム、溝底播種、発酵鶏糞堆肥
背景・ねらい 本県の中山間地傾斜畑では、その気象条件を利用した高品質野菜の端境期出荷による有利販売が可能であり、市場においてもこれら中山間地の高品質野菜供給への要望が高まっている。そこで、これら中山間地の栽培に適合し、市場性の高い初夏・秋どりホウレンソウと盛夏どりコマツナを組み合わせた栽培技術体系を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 本栽培体系は初夏どりホウレンソウについては「アルタイル」を5月中旬に播種し、6月下旬に収穫、その後、コマツナ「よかった菜」を7月中旬に播種し、8月中旬に収穫し、秋どりホウレンソウ「サンピア」を8月下旬播種、9月下旬に収穫する(図1)。
  2. ホウレンソウでは雨よけ資材に近紫外線カットフィルムを使用することで立ち枯れ病予防や生育促進効果が、播種方式を溝底播種することにより地温の上昇が抑制され発芽率、収量が向上する(図2、図3)。
  3. 盛夏どりコマツナ栽培では簡易太陽熱消毒7日間処理と0.8mm目合いの防虫ネット被覆により雑草とキスジノミハムシによる食害がほぼ抑えられる(図4)。
  4. 本栽培体系における施肥は、発酵鶏糞堆肥を10a当たり雨よけホウレンソウで1t(N成分15kg)、コマツナで667kg(N成分10kg)施用することにより、それぞれの慣行栽培における平均収量10a当たり1tを上回る収量が得られる(表2)。
  5. ホウレンソウおよびコマツナの間引きや収穫調整作業はシードテープの5cm1粒播種により省力化が図れる。
成果の活用面・留意点
  1. 溝底播種の際、溝は浅くならないよう注意する。
  2. ホウレンソウ播種後は、発芽促進のため夕方かん水し、土壌水分を適湿に保つ。
  3. 盛夏どりコマツナの簡易太陽熱消毒処理の際、畦へのかん水は充分量行う。
  4. この栽培体系は標高500~600mに適応した技術である。
図表1 219167-1.jpg
図表2 219167-2.jpg
図表3 219167-3.jpg
図表4 219167-4.jpg
図表5 219167-5.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 害虫 こまつな 栽培技術 栽培体系 雑草 出荷調整 省力化 施肥 中山間地域 播種 防除 ほうれんそう

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