PMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性シシトウ「土佐じしビューティー」の育成

タイトル PMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性シシトウ「土佐じしビューティー」の育成
担当機関 高知農技セ
研究期間 1996~2000
研究担当者 松本満夫
野町敦志
澤田博正
発行年度 2001
要約 シシトウ「土佐じしビューティー」 は、ペッパーマイルドモットルウイルス (PMMoV(P1,2))モザイク病に抵抗性をもち、促成栽培適性が高く、収量、品質にすぐれるF1品種である。
キーワード シシトウ、土佐じしビューティー、PMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性
背景・ねらい シシトウは高知県の基幹品目の一つに指定され、平地の施設栽培とともに中山間部の夏秋栽培においても重要な作物である。産地では果形の乱れによる品質低下やPMMoV(P1,2)を主とする各種トバモウイルスの発生による品質低下や収量の減少が問題になり、優れた耐病性品種の育成が強く求められていた。そこで、PMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性をもつ高品質・多収性品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過:1990年に「ししとう(中型系)」にピーマン桔梗交10号を交配し、以後「ししとう(中型系)」への戻し交配と自殖を繰り返し、選抜されたPMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性系統を種子親とし、「ししとう(短型系)」を花粉親として育成された(図1)。
  2. 生育特性および耐病性:草勢は強く、腋芽の発生は少ない。果皮色の緑は濃く、果形は果頂部がしし頭状の円筒形で、果柄長は「ししほまれ」(標準品種)より長く、「つばきグリーン」(参考品種)より短い。また、この品種は、PMMoV(P1,2)モザイク病抵抗性をもつわが国初めてのシシトウ品種である(表1)。
  3. 生産力:低温期の着果率が高く、促成栽培適性は高い(表2)。秀品率が高く、秀品収量は「ししほまれ」より多く、「つばきグリーン」と同等である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 促成栽培に適する。草勢を調節するための極端な灌水や肥培管理は、芯止まり症状を引き起こし、収量減退や辛み果の発生の原因となるため注意する。
  2. PMMoV(P1,2)に対する抵抗性をもつが、若苗や高温時には濃厚感染によりトップネクローシスを生じる場合がある。そのため、育苗時の感染には特に注意し、感受性品種を混在させないことが大切である。
図表1 219171-1.jpg
図表2 219171-2.jpg
図表3 219171-3.jpg
図表4 219171-4.jpg
カテゴリ 育苗 ししとう 施設栽培 耐病性品種 多収性 中山間地域 抵抗性 ピーマン 肥培管理 品種

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