タイトル |
ナスの半促成栽培におけるマルハナバチによる受粉の効果 |
担当機関 |
岡山農総セ農試 |
研究期間 |
1997~2001 |
研究担当者 |
飛川光治
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発行年度 |
2001 |
要約 |
ナス(「千両二号」)の受粉にマルハナバチを利用した場合、パラクロロフェノキシ酢酸(以下4-CPAと略す)処理に比べて果実形状はやや異なるが、上物率が向上し、同等もしくはそれ以上の収量が得られる。
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キーワード |
ナス、マルハナバチ
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背景・ねらい |
ナスの受粉にマルハナバチを利用すると、ホルモン処理労力が不要になるだけでなく、ハチが住める環境で生産した安全・安心なナスであるという付加価値が期待できる。そこで、半促成栽培におけるマルハナバチによる受粉の効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- マルハナバチ区は4-CPA区に比べて、正常果収量はほぼ同等だが、上物収量が多く、上物率も高い(表1)。
- マルハナバチ区の着果率は、8月下旬~9月上旬のように高温で花質が不良になると、4-CPA区に比べて低下するが、その他の期間はほぼ同等に推移する(図1)。なお、8月下旬~9月上旬においても、訪花活動は行われ、バイトマークはほぼ100%の花に認められた。
- マルハナバチ区は4-CPA区に比べて、開花から果実収穫までの所要日数は同等で、乾物率はやや高く、同一日に開花した果実の生重変動係数が小さい(表2)。
- マルハナバチ区の果実は4-CPA区に比べて、先端の形状がやや丸く、花柱の痕跡がやや大きい(表3)。
- マルハナバチ区の花弁は4-CPA区に比べて、脱落が良好である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 天敵を利用するなどして減農薬栽培に努め、マルハナバチに悪影響のある農薬使用をできるだけ避ける。
- 高温期には巣箱を土中に埋設するなどして、巣内の平均温度を32℃以下に保つ。
- 低温寡日照期(12~2月)および平均夜温12℃未満での栽培では、花粉稔性の低下などで、着果や果実品質が不良になるので、4-CPAなどを利用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
受粉
なす
農薬
マルハナバチ
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