初期溶出抑制型被覆肥料利用による花壇苗の草姿改善技術

タイトル 初期溶出抑制型被覆肥料利用による花壇苗の草姿改善技術
担当機関 京都農総研
研究期間 2000~2003
研究担当者 芦田哲也
発行年度 2001
要約 花壇苗の小型容器栽培において、エブアンドフロー給水で栽培すると生育が旺盛になりすぎる傾向があるが、初期溶出抑制型被覆肥料を用いると、わい化剤を使用しなくても、コンパクトな草姿に改善できる。また、プランターや花壇定植後の利用場面での生育は旺盛になる。
キーワード 花壇苗、小型容器栽培、エブアンドフロー給水、被覆肥料、草姿改善
背景・ねらい 花壇苗の小型容器栽培では、エブアンドフロー給水が必要不可欠の技術であるが、生育が旺盛になりすぎる傾向があるため、ポットサイズに合わせたコンパクトな草姿にする必要がある。そこで、初期溶出抑制型被覆肥料を用いて、わい化剤を使用することなく草姿をコンパクトに改善するとともに、プランターや花壇定植後の利用場面での生育を旺盛にする栽培技術を検討する。
成果の内容・特徴
  1. マリーゴールドにおいて、初期溶出抑制型被覆肥料(以下SL)を使用すると、慣行被覆肥料(以下L)に比べて草姿(草丈、株径)が比較的コンパクトに仕上がる。プランター定植後の生育は、SL、Lとも旺盛で明らかな差はない(表1、図1)。
  2. インパチェンスにおいても、SLを使用すると草丈が短く、コンパクトに締まった株となる(表2)。花壇定植後の生育は、ポット苗とは逆に、SLを使用すると草丈、株径とも大きく開花輪数も多い(表2)。
  3. 土壌溶液中の硝酸イオン濃度は、ポット栽培期間中を通してSLを使用する方がLを使用する場合より低い。特に鉢上げ直後の約10日間はLが60~70ppm前後であるのに対し、SLは10ppm前後と低い(図2)。SLは生育初期の窒素の溶出がLよりも抑制されるため、鉢上げ直後の小さな植物体の窒素吸収量に近い窒素が供給される。そのため生育が過剰とならず、コンパクトな草姿に仕上がる。
成果の活用面・留意点 [成果の活用場面・留意点]
  1. 初期溶出抑制型被覆肥料はC社のスーパーロング424(70日タイプ)、慣行被覆肥料はC社のロング424(70日タイプ)を使用した。
  2. ピートモス7、くん炭2、パーライト1(容積比)を混合した用土を用い、被覆肥料は用土1リットル当たり2gを基肥として用土に混合する。
  3. 初期溶出抑制型被覆肥料は粒径が大きいため、混合が不十分であると生育のばらつきが出やすい。
  4. 施用量が少ないと、生育後半に肥切れの様相を呈し、花壇定植後の生育も劣る。
図表1 219185-1.jpg
図表2 219185-2.jpg
図表3 219185-3.jpg
図表4 219185-4.jpg
カテゴリ 肥料 インパチェンス 栽培技術 マリーゴールド わい化

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