タイトル |
カーネーション養液土耕の給液管理 |
担当機関 |
兵庫淡路農技セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
宇田 明
山中正仁
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発行年度 |
2001 |
要約 |
カーネーションの養液土耕において、給液濃度を窒素で100~180ppm、1日の給液量を1平方メートル当たり1.5~5リットルの範囲で時期ごとに変化させ、毎日3回以上に分けて給液することにより、収量および切り花品質が向上する。
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キーワード |
カーネーション、養液土耕、給液濃度、給液量
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背景・ねらい |
カーネーションの養液土耕(点滴チューブによるかん水同時施肥栽培)は収量の増加や省力化に結びつき、低コストで環境に優しい技術として有効である。そこで、多くの生産者が容易に養液土耕に取り組めるよう、給液プログラムを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- カーネーションの最適土壌水分レベルであるpF 1.5を栽培期間を通じて常に保つよう気象条件や生育ステージに応じて給液量を変化させる。1日当たりの給液量は高温、多日射の夏期では1平方メートル(実面積、以下同じ)当たり3.0リットル、生育量が増加する秋期は3.0~3.5リットル、低温、少日射の冬期は1.5~2.0リットル、開花盛期となる春期は2.0~5.0リットルとする。本プログラムでの総給液量は1平方メートル当たり約1,000リットルとなる。
- 給液濃度は地域のカーネーション窒素施肥基準を参考とし、夏期は窒素濃度で100ppm、秋期は100~130ppm、冬期は150~180ppm、春期は100~150ppmとする。本プログラムでの総窒素施用量は1平方メートル当たり約120gとなる。また、土壌溶液のECおよび硝酸態窒素濃度は夏期は0.5~1.0mS/cm、50~100ppm、秋期は1.0~1.5mS/cm、100ppm、冬期は1.5~2.0mS/cm、150~200ppm、春期は1.0~1.5mS/cm、100~150ppmとなる。
- 1日当たりの給液量を同量とした場合、給液回数を9~17時に1回(9:00)、3回(3時間毎)、9回(1時間毎)、17回(30分ごと)で比較すると、1回にくらべて、3回以上で収量が増加する(図1)。
- 本給液プログラムに基づき給液管理することにより、固形肥料を主体に追肥し、週に2回かん水した慣行栽培より収量が約20%多くなる(図2)。さらに、切り花長および切り花重が増加し、高品質な切り花が得られる(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本給液プログラムは暖地の6~7月定植の作型に適応する。
- 光反射マルチを被覆すると、生育促進にさらに効果的である。
- 先端技術等地域実用化研究促進事業において、本給液プログラムの実用性をさらに高める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
カーネーション
栽培技術
省力化
施肥
低コスト
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