タイトル |
トルコギキョウの固化若苗定植と種子冷蔵による品質向上技術 |
担当機関 |
岡山農総セ |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
金田小百合
土居典秀
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発行年度 |
2001 |
要約 |
トルコギキョウの秋出し作型では、固化剤を利用した若苗定植と種子冷蔵を併用することによって、ロゼットが回避され切り花品質が向上する。
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キーワード |
トルコギキョウ、種子冷蔵、固化剤、若苗、ロゼット回避、品質向上
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背景・ねらい |
トルコギキョウの秋出し作型は、夏季高温時に播種・定植するため定植ストレス(植え痛み)が大きく、ロゼットになりやすく切り花品質も劣る。そこで、定植ストレスの少ない固化剤を用いた若苗定植と、ロゼット回避効果のある種子冷蔵を組み合わせた栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 無冷蔵60日苗(慣行)では根がセル根鉢表面を巻いており、育苗開始期が遅くなって気温が高くなるほどロゼットが増え、切り花品質が低下する(表1)。
- これに対し、若苗で定植するほどセル根鉢表面に根が少ないために定植ストレスが少ないと考えられ、初期生育が優れて揃いもよい。(図1)その結果、ロゼット率が下がり、開花が早くなり、切り花品質が向上する。(表1)なお、若苗は固化しなければ根鉢を崩さずに定植するのは難しい。
- 若苗定植に種子冷蔵を併用すると初期生育がより優れる。また、開花がより早くなり、ロゼット回避効果と切り花品質向上効果はより高くなる。(図1、表1)
- 若苗は根の伸長量が少ないことからセルトレイは406穴(慣行は288穴)でよく、育苗や冷蔵面積が少ない。
- 以上の結果、トルコギキョウの秋出し栽培において、固化剤を用いた若苗定植には切り花品質向上効果やロゼット回避効果があり、種子冷蔵を併用するとこれらの効果はより高くなる。また、育苗、冷蔵面積が少なくてすむ。
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成果の活用面・留意点 |
- 種子冷蔵は10℃暗黒条件で35日間行う。
- 固化はM社の使用基準に即して行い、固化専用育苗土(カルシウム添加)で播種育苗し、定植前に固化剤(アルギン酸ナトリウム溶液)を吸わせて固める。
- 出庫15日頃から根の生育を注意深く観察し、セル根鉢表面に根が出る前に定植する。
- 定植から抽たい直前までべたがけ資材をかけて湿度を保ち、株の生育を促す。
- 通常の栽培でロゼットが発生する6月以降の育苗開始作型で効果が高い。また、栽培地や栽培年の気温によって効果は異なる。
- 品種によって効果が異なるため、種子冷蔵効果の確認された品種を用いる。
- 栽培期間を通じて水分が不足すると効果が劣る。このため、育苗・栽培中の乾燥や灌水むらに注意するとともに、50%遮光下で栽培する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育苗
乾燥
栽培技術
トルコギキョウ
播種
品種
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