タイトル |
酸素濃度制御による花き類種子の発芽促進処理 |
担当機関 |
奈良農技センター |
研究期間 |
2001~1995 |
研究担当者 |
前田茂一
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発行年度 |
2001 |
要約 |
発芽室内や酸素濃度を一定あるいは通常より高めることにより、パンジーなどの花き類種子で発芽速度と発芽勢を高めることができ、より効率的なセル成形苗生産が可能になる。
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キーワード |
発芽促進、酸素濃度、セル成形苗
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背景・ねらい |
種子繁殖による花き類のセル成形苗育苗については、温度・相対湿度・光の必要性など、発芽をスムーズに行わせるための環境要因に関する詳細な情報が現存し、栽培のマニュアル化も進んでいる。ところが、種子発芽の重要な一要因であるにもかかわらず、酸素濃度を制御し、実用レベルで発芽を促進するための技術的知見はほとんど見あたらない。そこで、より効率的なセル成形苗育苗技術の開発を目指し、発芽速度の促進と、発芽の均一性を高めることを目的とし、市販のエアコンプレッサーや酸素濃縮機を用いた発芽促進処理の効果について検討を行う。
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成果の内容・特徴 |
- エアコンプレッサーを用い発芽室を想定した密閉チャンバー内へ空気を送り込むことにより、通気時間の長さに比例して発芽速度と発芽勢を高めることができる(図1)。
- エアコンプレッサーと2種類の酸素濃縮機を用いて3つの密閉チャンバー内の酸素濃度をそれぞれ21%(対照区)、40%、90%に変えると、酸素濃度の上昇にともない発芽速度が効果的に促進され、発芽勢を高めることができる(図2)。
- 溶存酸素量を高めるためにあらかじめ2種類の酸素濃縮機を用いてエアレーションした水を播種後の灌水に利用すると、排出酸素濃度の高い機械で処理した溶存酸素量の高い処理区ほど発芽勢が高くなる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 通常市販されている発芽室は比較的気密性が高く、室内での空気循環はなされているものの、外気の取り込みが行われない構造になっている。そのため、発芽時の種子や培地内微生物の呼吸による酸素消耗が想定される播種後には、通常のエアコンプレッサー等を用いて発芽室内に外部の新鮮な空気を取り入れ、室内の酸考濃度の低下を防止することに
よって発芽を促進することができる。
- 酸素濃縮機を用いて発芽室内に通常より高い濃度の酸素を供給することにより、播種後の発芽ぞろいを短期間で均一にでき、播種から発芽までの期間を効果的に短縮することが可能になる。育苗期間を短縮することで栽培の回転効率が高まり、経営の効率化に寄与するものと考えられる。
- 発芽室等の設備がない場合には、、敵素濃縮機やエアコンプレッサーを用いて灌水用の水をエアレーションし、あらかじめ溶存酸素量を高めておくことにより、発芽を促進することが可能である。この場合、可能であれば水温を低く保つのが望ましい。
- 将来的により効率的な育苗技術を目指すには、栽培品目や品種による発芽時の酸素要求量の違いを解明するとともに、挿し木など栄養繁殖への利用等も含め、今後さらに研究を進めていく必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
経営管理
挿し木
播種
パンジー
繁殖性改善
品種
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