タイトル |
排出液を再利用するバラの新しい閉鎖型ロックウール栽培システム |
担当機関 |
愛媛農試 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
藤堂太
白石豊
毛利幸喜
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発行年度 |
2001 |
要約 |
ロックウール栽培で、培養液を点滴で給液し、排出された余分な培養液を底面給水により再利用するバラの閉鎖型栽培システムを開発した。このシステムで半年間栽培したバラは、かけ流しロックウール栽培に比べ品質はやや劣るが、切り花本数は差がない。
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キーワード |
バラ、ロックウール栽培、閉鎖型、排出液再利用
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背景・ねらい |
かけ流し方式のロックウール栽培でバラを栽培すると、培養液の20~30%が排出される。そこで、培養液による環境負荷をより軽減するため、排出液を再利用する閉鎖型の新しい栽培システムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは、トイに集められた排出液がトイからロックウールの下に敷かれた吸水シートを通してバラに吸収され、再利用される閉鎖型栽培システムである(図1)。ロックウールの下に吸水シートを追加し、排出液集水用のトイを閉鎖し水平にすることで、既存の栽培システムが利用できる。
- バラが培養液を吸収し、トイ中の排出液が下限水位を下回ると水位センサーの信号により新しい培養液が点滴給液され、トイの水位が上限水位まで回復すると給液が停止する(図1)。このため、水位センサーでバラの吸収量に応じた給液管理が自動的に行える。
- 各ベンチに設置した水位センサーにより、当該ベンチへの給液管を電磁弁で開・閉するとともに、給液装置を制御する(図2)。このため、各ベンチに水位センサーと電磁弁を追加設置することで、既存施設が利用できる。
- かけ流し栽培で排出する肥料分のコスト低減が可能であり、また既存の栽培システムを利用することにより、比較的安価に改造できる(表1)。
- 12月から本システムにより栽培したアーチング仕立てでのバラ切花長は、翌月からの半年間かけ流し管理のものよりやや短くなるが、切り花本数は差がない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 多量要素の培養液濃度は、かけ流しの8割程度で管理するが、収穫期間が長くなるにつれ培地内の培養液の成分がアンバランスとなるので、長期間の栽培では培養液組成およびかけ流し管理を定期的に組み込んだ体系管理の検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
低コスト
ばら
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