「青島温州」の園地別交互結実栽培は経営安定に有効

タイトル 「青島温州」の園地別交互結実栽培は経営安定に有効
担当機関 山口大島柑きつ試
研究期間 1997~2004
研究担当者 岡崎芳夫
宮田明義
棟居信一
発行年度 2001
要約 高糖系ウンシュウミカンの交互結実栽培は、商品性の高いML級果実を慣行栽培の約2倍に増加させるため、大幅な収益増加につながる。摘果と防除を中心とした省力効果、および薬剤と労働費を中心にした低コスト効果はいずれも7~8%である。
キーワード 「青島温州」、交互結実栽培、省力、低コスト
背景・ねらい 「青島温州」など高糖系ウンシュウミカンの品質向上および生産安定を目的として開発された交互結実栽培は(生産樹と遊休樹とを園地ごとに区分して配置する方法)、いくつかの技術的な問題を残しながらも徐々に普及しつつあるが、本栽培法の現場での経営評価はまだ十分にはなされていない。
そこで、現地実証圃場(水田転換園)で得られた4年間のデータをもとに、交互結実栽培の導入が経営に与える効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「青島温州」の交互結実栽培における果実収量は毎年安定しており、慣行栽培との間に収量の差は認められない。また、商品性の高いML級果実が慣行の2倍に増加し、商品性の低い3L級以上の果実は1/5に減少する(表1)。
  2. 交互結実における販売額は、慣行栽培の約1.6倍になる。ただしその増益効果は作柄によって異なり、裏年で著しく、表年では小さい(図1)。
  3. 労働時間は交互結実において7%程度減少し、省力効果が認められる。省力効果の大きい作業は摘果と防除であり、慣行栽培と比較した時間は各々1/3と2/3である(図2)。ただし、せん定と枝つりの時間は慣行栽培より多くなる。
  4. 肥料、薬剤および労働費は慣行栽培に比べて8%程度減少し、低コスト化が図れる。これらの中では、とくに薬剤費の節減効果が高く、慣行栽培の2/3に抑えられる(表2)。
  5. 以上の結果から、「青島温州」への交互結実栽培の導入は、経営の安定化につながる。
成果の活用面・留意点
  1. 「青島温州」および「大津四号」における交互結実栽培の参考にできる。
  2. 交互結実の導入にあたっては、地域における隔年結果性、果実の階級構成および単価などを考慮する必要がある。
図表1 219207-1.jpg
図表2 219207-2.jpg
図表3 219207-3.jpg
図表4 219207-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 温州みかん 経営管理 水田転換園 低コスト 防除 薬剤

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