着色期の土壌乾燥処理によるブドウ「ピオーネ」の着色向上

タイトル 着色期の土壌乾燥処理によるブドウ「ピオーネ」の着色向上
担当機関 兵庫中央農技セ
研究期間 1999~2003
研究担当者 荒木 斉
浜田憲一
福井謙一郎
発行年度 2001
要約 ブドウ「ピオーネ」における7月上旬以降の着色期の土壌乾燥処理(pF3.3でかん水)は、果実の着色を向上させ、収穫時期をやや早める。処理による枝の生育に対する影響はほとんど認められず、着色向上対策として有効である。
キーワード ブドウ、ピオーネ、着色、土壌乾燥処理
背景・ねらい ブドウの四倍体品種は樹勢が旺盛で、短梢せん定による栽培ではさらに強樹勢となり、着色不良などの品質低下を招きやすい。また、西南暖地に位置する地域では、果実着色期の夜温が高いため、着色不良や糖度不足等の品質面での問題を抱えている。そこで、これらの問題を解決するため、着色期の土壌水分ストレスが果実品質に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 無加温ハウス内の17年生「ピオーネ」(H型整枝、短梢せん定、栽植距離10m×4m、各区4樹)を用い、着色期である7月上旬から収穫期までの約50日間、土壌乾燥処理(pF3.3になった時点で1回当たり約30mmかん水)を行う。かん水間隔は天候により年次変動があるが、2001年では乾燥区が約20日(処理期間中に2回かん水)で、pF1.5でかん水する湿潤区は4~10日(処理期間中に5回でかん水)である(図1)。
  2. 着色期に土壌を乾燥処理すると、果房重、果粒重はわずかに劣るものの、着色が明らかに向上し、糖度もやや高く、平均収穫日が2~5日早まる(表1)。
  3. 土壌乾燥処理した果実は、十分にかん水した果実に比べて早い時期から糖度が上昇し、酸含量が低下する(図2)。
  4. 土壌乾燥による結果枝の生育への影響は、かん水直前に元葉に軽い葉焼け症状がでるものの、処理当年の枝長、枝径等には差が認められない(図表略)。また、2年間着色期に乾燥処理を行った場合でも、処理翌年の花穂数、枝の生育に大きな差がなく、樹体への悪影響は認められない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 土壌乾燥処理した果実は日中の高温時に収穫せず、果実温の低い早朝に収穫を行う。
  2. 本成果は施設栽培で適用可能で、今後、露地(雨よけ)栽培での活用方法を検討する。
図表1 219211-1.jpg
図表2 219211-2.jpg
図表3 219211-3.jpg
図表4 219211-4.jpg
カテゴリ 乾燥 施設栽培 品種 ぶどう

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