ウメ「南高」の根含有成分による生育障害

タイトル ウメ「南高」の根含有成分による生育障害
担当機関 和歌山農技セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 岩尾和哉
菅井晴雄
大江孝明
発行年度 2001
要約 ウメ根中の物質またはその分解生成物により幼木の養分吸収が妨げられ、生育が阻害されるため、ウメにおいてもこれら物質による生育障害発生の危険性が高い。
背景・ねらい ウメと同じく核果類に属するモモでは連作障害が発生しやすく、前作の根や土壌に残っている毒物質が1つの原因であることが明らかとなっている。また、モモでの毒物質の1つとして青酸配糖体があり、分解過程で生じるシアンが生育障害を引き起こすことが明らかとなっている。
そこで、ウメにおける根中の物質等による生育障害の有無を明らかにするために、ウメ根の水抽出液やウメ根そのものが幼木の生育や養分吸収に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 20Lポット(パーライト:ピートモス=9:1)植え「南高」幼木について、ウメ根の水抽出液存在下では生育が抑制される。また、30Lポット(黄色土)植え「南高」幼木について、定植土壌中にウメ根が存在すると生育が抑制される傾向にあり、細根の多い樹勢中樹根でその傾向が強い(表1)。
  2. ウメ根の水抽出液存在下では、地上部及び地下部の養分吸収が抑制される(図1)。特に窒素とリンの吸収が抑制され、これらは含有率も低い。また、定植土壌中にウメ根が存在すると、地上部及び地下部の窒素吸収が抑制される傾向にあり、細根の多い樹勢中樹根でその傾向が強い(図2)。
  3. ウメ未結果幼樹中には青酸配糖体としてプルナシンが含まれており、細根に多く、葉に少ない(表2)。ウメ根の水抽出液(根の重量の20倍の水道水で1日抽出)中には、プルナシンが3~100ppm程度含まれる。
成果の活用面・留意点
  1. ウメの改植時において、前作樹根の除去が必要であり、その徹底を図る。
  2. プルナシンのウメの生育に対する影響及び他の毒物質の有無について今後検討する。
図表1 219224-1.jpg
図表2 219224-2.jpg
図表3 219224-3.jpg
図表4 219224-4.jpg
カテゴリ うめ 改植 栽培技術 もも 連作障害

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