カスケード水路を用いた汚水処理施設の曝気効率

タイトル カスケード水路を用いた汚水処理施設の曝気効率
担当機関 京都畜研
研究期間 2000~2001
研究担当者 安富政治
八木充
発行年度 2001
要約 養豚排水を処理するための曝気槽の代わりに落差70cmの4段のカスケード水路を建設し、切れ欠き部にステンレス柵を設置して、循環ポンプを用いて清水を循環させると、酸素移動速度は0.533kgO2 /hr、酸素移動動力効率は0.392kgO2/kwhで、回転曝気装置に比べてそれぞれ14%、23%優れる。
キーワード 環境制御、施工技術、カスケード、溶存酸素、酸素移動速度、汚水処理
背景・ねらい 汚水処理施設を設置する場合、通常曝気処理槽に広い敷地を必要とする。しかし、曝気槽の形状をカスケード(小滝)の水路形式にすれば、余地の少ない傾斜地においても立地の可能性がある。カスケード型水路は途中のいくつもの段差で汚水が落下する際に曝気されるが、通常の曝気装置と曝気効率を比較検討した報告はない。
そこで、水路用コンクリート2次製品を落差70cmの4段の階段状に設置したカスケード型水路と、ボックスカルバート用コンクリート2次製品を使用した回分槽の2種類の実用規模の施設を建設し、清水を使って双方の曝気効果について比較検討した(図1、2、表1)。
成果の内容・特徴
  1. カスケード水路の切れ欠き部にステンレス柵を設置して、落下する水流に乱れをつくると、設置しない場合に比べて酸素移動速度で26%優れる(表2)。
  2. ステンレス柵を設置したカスケード水路は回転曝気装置に比べて、酸素移動速度が14%、使用電力量あたりの曝気効果を表す酸素移動動力効率は23%優れる。従って、回分式に比べてカスケード方式の方がランニングコストが安い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. カスケード水路を汚水処理施設の曝気槽として運転した場合の、活性汚泥の形成量把握、適正な流量、流速を決定することが必要である。
  2. 活性汚泥と原水を投入して、汚水処理を行った場合の処理能力を把握して、汚水処理施設としての性能評価を行うことが必要である。
  3. 水路用コンクリート2次製品を用いる場合には、あらかじめ製造工場において、切れ欠きを施工してもらうことで、現場施工の手間を大幅に省略できる。
図表1 219240-1.jpg
図表2 219240-2.jpg
図表3 219240-3.jpg
図表4 219240-4.jpg
カテゴリ 環境制御 傾斜地 コスト

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