超早期母子分離による黒毛和種母牛の繁殖機能修復

タイトル 超早期母子分離による黒毛和種母牛の繁殖機能修復
担当機関 兵庫北部農技
研究期間 2000~2002
研究担当者 坂瀬充洋
福島護之
木伏雅彦
野田昌伸
発行年度 2001
要約 超早期母子分離によって空胎期間が短縮される機構を検討する。超早期母子分離区のプロジェステロン濃度は、分娩後12~21日で1ng/ml 以上となり授乳区より早く黄体の形成が認められる。子宮修復の指標とされるプロスタグランディンF2α代謝産物濃度は、両区とも14日前後で低下し、超早期母子分離は子宮修復に特に影響を及ぼさないことが示唆される。
背景・ねらい 分娩後1~2日の超早期に母子を分離した場合に、母牛の初回排卵や初回発情が早期に回帰し、その後の受胎が早まり、11か月1産が可能であることを先に報告している。今回、適切な管理方法の確立を目的に内分泌学的な調査を行い、卵巣や子宮の機能回復等、空胎期間の短縮機構を検討する。
成果の内容・特徴
     超早期母子分離を実施した試験区5頭と子牛が哺乳する授乳区4頭の黒毛和種雌牛9頭を用いて、2~3日間隔で採血を行い血漿プロジェステロン中(P)濃度と子宮修復の目安となるプロスタグランディンF2α代謝産物(PGFM)濃度を測定した。
  1. P濃度は、授乳区では分娩後30日まで常に1ng/ml 未満の低値を示すが、試験区では分娩後12~21日目で1ng/ml 以上となり黄体の形成を認める(図1)。
  2. PGFM濃度は、授乳区は13~16日で、試験区は10~17日で低下する。子宮修復に要した平均日数±標準誤差は、授乳区で15.8±1.0日、試験区で13.8±1.1日で超早期母子分離によって特に影響を受けないことが示唆される(図2)。  
成果の活用面・留意点
  1. 先の検討から30日目以降の人工授精に問題がないことを報告していたが、約2週間で子宮修復が完了するので、特に問題ないことが示された。 
  2. 超早期母子分離は、発育途上の初産牛では泌乳能力の発現に問題がある場合もあるので、2産目以降の雌牛を対象とすることが望ましい。
  3. 母子分離後の栄養水準を維持期の水準に下げる。
図表1 219243-1.jpg
図表2 219243-2.jpg
カテゴリ 繁殖性改善

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