ホルスタイン種受精卵クローン牛(一卵性双子)の発育泌乳成績

タイトル ホルスタイン種受精卵クローン牛(一卵性双子)の発育泌乳成績
担当機関 徳農技セ畜産研
研究期間 1996~2001
研究担当者 笠井裕明
後藤充宏
福見善之
発行年度 2001
要約 受精卵クローン技術により生産した双子の乳牛は、日本飼養標準に基づく飼料給与により、ホルスタイン種標準発育値よりも高く良好な発育を示す。また、305日間の泌乳検定成績はクローン牛間で549kgの差を認めるが、いずれもドナー胚提供牛より良好な泌乳成績を示す。
キーワード 繁殖、動物産業、乳用牛、受精卵クローン、発育値、泌乳成績、斉一性
背景・ねらい 受精卵をドナー核に用いた核移植技術により受精卵クローン牛の安定生産が可能となりつつあるが、その発育性及び生産性等を実証しておく必要がある。そこで、ホルスタイン種双子のクローン産子を用いて、日本飼養標準に基づく飼料給与を行い、その発育性及び泌乳成績等を調査した。
成果の内容・特徴
  1. ホルスタイン種経産牛より採取した桑実期胚1個から5個のクローン胚を作出した。この内4個を2頭のホルスタイン未経産牛に2胚移植した結果、1頭が278日目に35.0kgと38.0kgの双子の雌産子を分娩した(表1)。
  2. 同一の飼料給与による育成試験の結果、12カ月齢時の体重及び体高は各々353kg、376kg及び130.0cm、131.4cmに発育し、ホルスタイン種雌牛の標準発育値よりも高い値で発育した(図1、2)。
  3. 生後19カ月齢で人工授精した結果、2頭とも妊娠し、各々275日目及び277日目に47kgの雌産子を自然分娩した(表1)。
  4. 分娩後305日間泌乳検定を行った結果、各々8,041kg及び7,601kgを泌乳し、ドナー胚提供牛よりいずれも高い成績であった(表2)。
  5. 初産時の体型審査による決定得点は、各々80点及び77点であり、乳用牛の特質において差が認められた(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ホルスタイン種受精卵クローン牛の発育性及び泌乳成績等が得られたが、今後ともデータの蓄積を図り、クローン間の相似性について実証する必要がある。
  2. クローン牛の後代についても発育性及び泌乳成績等を実証する必要がある。
図表1 219251-1.jpg
図表2 219251-2.jpg
図表3 219251-3.jpg
図表4 219251-4.jpg
図表5 219251-5.jpg
カテゴリ 乳牛 繁殖性改善

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