タイトル | 効率的な遺伝子組換えシクラメンの作出 |
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担当機関 | 奈良県農業技術センター |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
浅尾浩史 都築正男 |
発行年度 | 2002 |
要約 | アグロバクテリウム法を用いて、シクラメン9品種の黄化葉柄から遺伝子組換え個体が作出できる。GUS遺伝子を導入した再分化個体の各組織においてGUS活性が認められ、この技術は広くシクラメン品種へ適用できる。 |
キーワード | シクラメン、遺伝子組換えGUS遺伝子 |
背景・ねらい | 従来の交配によるシクラメンの育種において、耐暑性や耐病性などの付与には限界があり、これを改善する上で、遺伝子組換え技術は有効である。しかし、これまでにシクラメンの遺伝子組換えの成功例は少なく、遺伝子の導入に成功した品種も限定されている。そこで、アグロバクテリウム法によって、多数のシクラメン品種において遺伝子組換え個体を作出する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 導入には、CaMV35S-GUS遺伝子を組み込んだバイナリーベクター(pBI101HmB)を持つアグロバクテリウムを用いる。シクラメン9品種を無菌播種し,20℃暗黒下で生育させる。1~3ヶ月間生育させた黄化葉柄を1cm長に切断して外植片とする。チジアズロン(TDZ)0.1 mg/l~1.0mg/l、2,4-D 0.1 mg/l~1.0mg/l及びアセトシリンゴン100μMを添加した1/2MS培地(0.2%ゲルライト,3%ショ糖, pH5.8)で7日間前培養した後、アグロバクテリウムを接種し,同じ培地で5日間共存培養する。その後、カルベニシリン 200 mg/l とハイグロマイシン 5 mg/l を添加した培地へ移植する。 2. 全ての品種において、TDZ 0.5 mg/l と2,4-D 0.1 mg/lを添加した培地で多数の不定芽形成が認められ(図1)、供試材料の中では「ドレスデン系ブリジット」が最も多くの不定芽を形成する。(表1)。 3. 再分化した個体の葉切片におけるGUS活性を組織化学的に調査したところ、各品種とも80%以上の個体でGUS活性が見られ、GUS遺伝子の導入が確認でき(表2)、これは安定した組換え技術である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 表2に示した9品種において遺伝子組換え体を作出でき、この技術は他のシクラメン品種に応用できる。 2. 有用遺伝子の導入により、実用性の高い個体の作出が期待できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 育種 シクラメン 耐暑性 播種 品種 りんご |