胚培養によるユリ新品種アルテミス

タイトル 胚培養によるユリ新品種アルテミス
担当機関 岡山農総セ
研究期間 1985~2002
研究担当者 永宗正規
森本泰史
村西久美
土岐昌弘
発行年度 2002
要約 シンテッポウユリにル・レーブを交配し、子房培養及び胚培養して育成した品種であり、花色は白地に紅色の筋が入る。
キーワード シンテッポウユリ、ル・レーブ、子房培養、胚培養、アルテミス
背景・ねらい シンテッポウユリは生育旺盛で種子繁殖が可能なため種苗費が少なくてすむが、花の色は白色一色である。一方、花色の豊富なオリエンタル系ユリは、球根養成に数年の栽培を必要とするため、球根の価格が高く、切り花栽培農家の経営において、種苗費の占める割合が大きい。
そこで、胚培養を用いて、生育旺盛なシンテッポウユリと豊富な花色を持ったオリエンタル系ユリとを交雑し、球根養成期間が短く、既存の品種にない花色や花形を持つ品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.
1993年夏に子房親;シンテッポウユリ(「中生あさま」)と花粉親;オリエンタル系ユリ(「ル・レーブ」)を交配し、肥大した子房を培養し、培養した子房から胚を摘出して培養した。1994春に鉢上げしたところ、1995年7月9日に初開花した。「アフロ」(岡山農試育成品種)の姉妹品種である。
2.
山陽町での雨除け栽培では、11月中旬の定植で「アフロ」の6月上旬咲きに対して、6月下旬咲きの中生種である。
3.
花は横向きから斜め上向きの極大輪種(18~22cm)で、「アフロ」のピンク色に対して、白い花弁の中央に紅色の筋が入る。
4.
「アフロ」と同様に、花弁は厚くて乱れが少ない。
5.
「アフロ」と同様に、茎は緑色で堅い。葉は「アフロ」に比べて細長い。
6.
「アフロ」と同様に、りん片挿し苗や極小球(球周5cm程度)でも1年で開花するので球根養成の必要がない。
成果の活用面・留意点 1.
2001年9月に品種登録を申請した。
2.
アブラムシ、ネダニ、チビクロバネキノコバエ、フザリウムの防除を徹底する。
3.
球根栽培、リン片挿し栽培とも季咲き作型では良好な切り花が得られる。
4.
市場では、和花の雰囲気を持っていて、見ていて可愛い、心が癒やされる、落ち着いた感じのするユリであり、紅色の筋の入り方が程よくて他にはないユリである。巨大輪での出荷が望ましいとの評価を受けている。
図表1 219317-1.gif
図表2 219317-2.gif
カテゴリ 病害虫 経営管理 栽培技術 出荷調整 新品種 ネダニ 繁殖性改善 品種 防除 ゆり

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