タイトル | 胚珠培養による小輪系ユリ新品種「プチソレイユ」 | |
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担当機関 | 山口県農業試験場 | |
研究期間 | 1994~2001 | |
研究担当者 |
尾関仁志 光永拓司 山本雄慈 松本 理 |
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発行年度 | 2002 | |
要約 | スカシユリとヒメユリの雑種胚を胚珠培養により育成した品種である。スカシユリに比べて花径が小さく、花色は鮮橙である。季咲き栽培では5月上中旬に開花する。低温処理した球根を9月上旬に定植すると11月上旬に開花する。 | |
キーワード | ユリ、小輪、プチソレイユ、種間雑種、胚珠培養 | |
背景・ねらい | 新たな需要を開拓し、オリジナルユリにより産地を拡大するため、フラワーアレンジメント等に利用しやすい花径の小さい品種を育成する。 | |
成果の内容・特徴 | 1. 1994年に黄色のスカシユリ「モナ」に農試で育成したヒメユリ(チョウセンヒメユリ×キヒメユリ)の花粉を花柱切断法により交配し、60日後に肥大した子房から胚珠を取り出して培養した。 2. 胚珠培養により生育した個体を1995年10月に順化、11月に定植し1時選抜した。 3. 選抜個体をりん片により増殖し、球根養成率の高い系統を1999年に2次選抜した。 4. 2000年に形質の優れた1系統を選抜した。促成栽培適応性等を確認し2002年3月に育種を完了した。新品種候補「プチソレイユ」の特性は以下のとおりである。 5. 花径は約10cmと「アペルドン」より小さい。花房の形状は総状花序、花の形はスカシユリ型、花の向きは斜め上向きである。花色は、花弁の基部、地色、中肋部及び花弁縁部が鮮橙、花弁裏面が鮮橙である。蕾の色は、鮮黄橙である。花弁における斑点は、チョウセンヒメユリよりも少なく、目立たない。葯の色はオレンジ色であり、ヒメユリが有する不快臭は無い(図1、表2)。 6. 開花期の草丈は、「アペルドン」より低く、80cm程度である。茎はチョウセンヒメユリより太い。葉の大きさはチョウセンヒメユリに比べて大きく、葉の形は長楕円形である。葉色は、濃緑色であり、葉の光沢は無い。葉数は、チョウセンヒメユリより少ない(表1)。 7. 季咲き栽培(11月下旬定植)では5月上旬から中旬に開花する。草丈と輪数は、球根の大きさに比例して大きくなるが花径はほとんど差がない(表2)。 | 8. 表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 2002年8月に品種登録の出願を行った。 2. 球根増殖試験を実施中であり、2004年から県内へ普及する。 3. 平坦地の加温ハウスを中心として導入する。 | |
図表1 | ![]() |
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図表2 | ![]() |
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図表3 | ![]() |
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図表4 | ![]() |
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カテゴリ | 育種 栽培技術 新品種 品種 ゆり |