タイトル | 水稲品種「コシヒカリ」の奨励品種採用(予定) |
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担当機関 | 奈良県農業技術センター |
研究期間 | 1997~2002 |
研究担当者 |
西尾和明 山本卓司 杉山高世 野村貴浩 土井正彦 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 「コシヒカリ」は、山間地帯では田植時期が早く、耐倒伏性も大きな問題でなく、良食味で安定生産が可能であり、山間地帯向きとして奨励品種に採用する。 |
キーワード | 水稲、山間地帯、コシヒカリ、良食味、奨励品種 |
背景・ねらい | 奈良県の水稲うるちでは、山間地帯向き極早生の「あきたこまち」、早生の早の「ひとめぼれ」、平坦地帯向き早生の早の「キヌヒカリ」、中生の「ヒノヒカリ」の作付が多い。「コシヒカリ」は耐倒伏性が弱く、いもち病に弱い等の欠点はある。しかしながら、食糧法施行以降、米価が低迷し、価格上昇は考えられない状況の中で、市場評価が最も高い品種が、農業所得の維持・向上のため必要である。このため、山間地帯での適応性の検討を行い最適栽培条件を明らかにし、導入を図る。 |
成果の内容・特徴 | 「ひとめぼれ」と比較した「コシヒカリ」の特性は以下のとおりである。 1. 出穂期は3日程度遅く、成熟期は3~5日程度遅い(表1)。 2. 稈長は7cm程度長く、穂長は1cm程度短い。穂数は現地では少ないが所内ではほぼ同等で、草型は中間型である(表1)。 3. 耐倒伏性は弱く、いもち病にも同等に弱い。穂発芽性は難で穂発芽しにくい(表1)。 4. 収量は標肥で99%とほぼ同等であるが、現地では90%と少ない。千粒重は23.1gと少し軽い。外観品質はほぼ同等である。食味も同等である(表1、表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 県山間地帯(標高300m以上)に普及する。普及見込み面積500ha。 2. 倒伏しやすいので、多肥を避ける。 3. いもち病に弱いので、防除を徹底する。 4. 耐穂発芽性は難であるが、良質米生産のため、適期刈取を励行する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いもち病 栽培条件 水稲 品種 防除 良食味 |