タイトル | 機械移植による藍の省力栽培法 |
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担当機関 | 徳島農研 |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
南 明信 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 藍を全自動野菜移植機で移植することにより、育苗および移植にかかる作業時間は慣行の37%となる。栽植様式はマルチ密植栽培とし、施肥は肥効調節型肥料を用いた全量基肥施用にすることにより、追肥作業を省くことができ、収量も増加する。 |
キーワード | 藍、機械移植、密植、マルチ、肥効調節型肥料 |
背景・ねらい | 徳島県の伝統作物である藍は、一時極端に生産が減少したが、近年の自然回帰志向により需要が伸びつつある。しかし、栽培面においては主な管理作業が昔ながらの手作業であるため作業負担が大きく、栽培面積拡大の大きな阻害要因となっている。そこで、全自動野菜移植機を用いた場合の栽植密度、マルチの効果、施肥法について検討し、作業の省力化を図った。 |
成果の内容・特徴 | 1. 播種は慣行に準じ3月初旬に行う。セルトレイは200穴を用い、1穴当たり4粒を播種する。培土は市販の野菜用育苗土を用いる。播種後は無加温ハウス内にて35日間程度育苗し、移植の3日前から灌水に置き換えて液肥を施用すると、草丈11cm、葉齢5葉期程度の全自動野菜移植機に適応したセル成型苗が得られる(図1)。 2. 全自動野菜移植機を用いた場合の育苗および移植にかかる作業時間は、慣行と同様の栽植様式で3.4hr/10aとなり、慣行の26%の時間で作業が行える。また、本圃にマルチを被覆し、慣行の1.5倍程度の密植で移植した場合の作業時間は4.8hr/10aとなり、慣行の37%のとなる(表1、図1)。 3. 全自動野菜移植機を用い機械移植する場合、慣行よりも1.5倍程度の密植にすることにより、総葉重は9%多収となる(図1、2)。 4. 一般に藍は1番葉が高価であるが、全自動野菜移植機を用い機械移植する場合、マルチを被覆すると1番刈り葉重は慣行より20%多収となる。さらに、マルチ密植栽培での1番刈り葉重は、慣行より40%多収となり総葉重も14%多収となる(図1、2)。 5. 施肥法別の総葉重は、速効性化成、肥効調節S120日型、肥効調節L70日型を1:1:1の比率で配合した肥料をマルチ栽培で全量基肥施用することにより、総葉重は慣行分施体系よりも30%多収となる(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 全自動野菜移植機には植え付け孔毎同時灌水装置を装備するとともに、移植前のセル成型苗には十分な灌水を行うこと。 2. 藍は数回の中耕培土を必要とするため、マルチは生分解性マルチを使用すること。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 育苗 省力化 施肥 播種 |