クモヘリカメムシの発生生態

タイトル クモヘリカメムシの発生生態
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2001~2005
研究担当者 (作物部)須藤健一
山下賢一
廣瀬敏晴
発行年度 2002
要約 現地ほ場群におけるクモヘリカメムシ越冬個体群の発生は、6月中旬にイタリアンライグラスほ場でみられ、ここで繁殖した第1世代成虫が近隣の水稲へ移動し加害する。水稲収穫後は主に畦畔のエノコログサ、メヒシバを餌として第2世代(越冬世代)が成育する。
キーワード クモヘリカメムシ、斑点米、年間世代数
背景・ねらい 兵庫県では近年、斑点米の発生が多くなり、それに伴う玄米の品質低下が大きな問題となっている。そこで、現地ほ場群で斑点米カメムシ類の主要種であるクモヘリカメムシのすくい取り調査を定期的に行い、発生生態を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
クモヘリカメムシが初確認されるのは6月中旬で、結実したイタリアンライグラス栽培ほ場である。水田への飛来は第1世代成虫で7月下旬からみられる。第2(越冬)世代の幼虫は8月中旬以降水稲と、イタリアンライグラス栽培ほ場のエノコログサとメヒシバでみられる。10月になってからは畦畔のメヒシバで主に認められる(図1)。
2.
イタリアンライグラス栽培ほ場では、クモヘリカメムシの主な寄主であるイネ科植物が順次開花結実していく。それぞれの開花結実期はイタリアンライグラスが5月中旬~7月、エノコログサが7月~10月、メヒシバが7月~11月である(表)。イタリアンライグラス栽培ほ場は、若い柔軟な子実を餌とするクモヘリカメムシにとって、絶好の餌場となっている。
3.
AMeDASデータ利用の 1kmメッシュ気象から解析した日平均気温と、発育調査から得られた発育零点および有効積算温度より発生時期をシミュレートすると、6月中旬から第1世代の発生が始まり、8月上旬から第2(越冬)世代の発生が起こり、年間2世代の発生が可能である。このことは、現地で行ったすくい取りでの発生状況と同一である(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
越冬成虫の12月~6月までの生息場所は、今回の調査で明らかになっていない。
図表1 219347-1.gif
図表2 219347-2.gif
図表3 219347-3.gif
カテゴリ 病害虫 イタリアンライグラス カメムシ 水田 繁殖性改善 斑点米 斑点米カメムシ

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